子育て中の短時間勤務、長期利用で職場に波紋制度整えてみたものの…

子育てを目的とした短時間勤務が広がり、職場は対応を迫られている。特に悩ましいのは長期にわたって利用する社員の扱いだ。制度上認められている以上、利用制限はできない。ただ長くなればなるほど同僚の負担が増すなど職場への影響が大きい。短時間勤務とキャリアをどう両立させるか。企業の模索が始まった。

支店長が集まり、短時間勤務者の管理について学んだ(東京都目黒区の三菱東京UFJ銀行研修施設)

「ご主人の協力は期待できませんか」「君には期待している。早くフルタイムに戻ってもらえるとうれしい」。三菱東京UFJ銀行が2012年12月に支店長を集めて開いたダイバーシティマネジメント研修。参加者は上司と部下の2役に分かれて模擬面談を体験した。テーマは「部下が利用上限まで短時間勤務をしたいと申請してきたら」だ。

「過度な配慮不要」

07年1月に子どもが小学校3年修了まで利用できる短時間勤務制度を導入した。12年3月末時点の利用者は549人。導入初年と比べて約10倍に増えた。利用者の増加と長期利用希望にどう対処すべきか。12年から研修を始めた。

もちろん本人の希望が最優先。使わせないように仕向ける意図はない。「ただ男性はワーキングマザーに優しすぎる。申請に『ノー』と言わない。本人や職場の状況に応じて、ちゃんと話し合って決めるべき問題。過度な配慮は不要だと男性上司に意識付けたい」と人事部は説明する。

1日6時間程度に勤務時間を軽減する短時間勤務。10年度の改正育児介護休業法で企業に制度導入が義務付けられた。法律上は子どもが3歳になるまで認めればよいと定めているが、大手企業を中心に法定以上の取得期間を制度化するケースが相次いだ。

それが職場の火種になっている。あるメーカーの人事担当者は「子育てに支障がなくても、できるだけ長く使おうとする社員が想定以上に多い。同僚への感謝の気持ちを欠き、人間関係がぎくしゃくした職場も聞く」と明かす。

東京海上日動火災保険は短時間勤務者を集めた交流会「カンガルー会」を09年に開始した。短い勤務時間で成果を上げる工夫やフルタイム勤務に復帰するタイミングなどを情報交換し、制度利用のコツを共有する狙いだ。

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