N
NIKKEI STYLE キャリア
職場の知恵

2013/1/29

職場の知恵

社員育成にも手がかかる

外国人が増えたのは上司だけではない。日本企業のアジア進出が盛んになった結果、アジア人が研修などで配属されることが増えた。ここでもコミュニケーションは英語。「育成に手がかかり、ストレスになるという相談がここ2~3年寄せられる」と、企業向けにメンタルヘルス支援を行うピースマインド・イープ(東京都中央区)の西川あゆみ副会長は話す。

語学教材会社のアルク(東京都杉並区)によると、同社のTOEIC対策セミナーを受講する社会人は増えており、毎回、定員を上回る申し込みがあるという。企業からの依頼で、社員個々に英語学習法のアドバイスをする通訳の柴原早苗さんは「ここ数年、英語能力テストで一定の成績を取ることを、管理職への昇進条件にする企業が増えた」という。

そのハードルがストレスを生んでいる。「日常の業務に英語は不要なのに、なぜ忙しいなか英語研修を受けなくてはならないのか。その分、残業が増える」「英語が苦手で大学では理系を専攻した。なぜ今こんなに苦しめられるのか」といった訴えが集まる。

勉強の時間なく

「家族が病気を抱え、自分も異動したばかり。そのうえで英語とは、どうしたらいいのか」と思い詰める人も。「このままでは『英語うつ』が生まれる」と柴原さんは案じている。

西川さんは「英語化で一番つらいのが中間管理職」と断言する。日々の業務が迫り、若い世代のように英語習得に力を注ぐ時間の余裕がない。慣れない英語で関係者間の調整を担い、ストレスが大きい。「企業は英語で苦しむ中間管理職救済のため、対策を取る必要がある」と指摘する。

西川さんはここ数年、国際展開をしている企業の人事担当者や管理職から「英語しか話せない上司がいる部署のストレス度が高いので、ヒアリングをしてほしい」という依頼を受けることが増えた。

ところが調べてみると、チーム個々人の役割分担の不明確さや企業文化の徹底不足など、原因が英語以外にあることが多いという。「英語化の要求が強すぎると、職場の本当の問題点が見えなくなることもある」と西川さんは注意を促す。

次のページ
ストレス減らす英語との付き合い方とは
ビジネス書などの書評を紹介
ブックコーナー ビジネス書などの書評はこちら