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職場の知恵

社内英語化の波 しわ寄せは中高年の中間管理職に

2013/1/29

 ビジネスのグローバル化を背景に、英語で「読み・書き・話す・聞く」を求められる職場が増えてきた。そのしわ寄せを受けているのが中高年の中間管理職層だ。英語から遠ざかっていた人はもちろん、英語力がある人でも思わぬ手間やストレスに悩んでいる。
TOEIC対策セミナーの社会人受講者は急増している(東京都杉並区のアルク)

 千葉県在住のA男さん(45)が勤める総合技術メーカーの本社は米国。上司の事業部長は英国人。A男さんが仕事を発注するエンジニアリング部門の事業部長は韓国人で、営業担当のマネジャーはフランス人。インドや中国の開発チームとも仕事をする。「英語ができなければ仕事にならない」。若い時は英語が得意とは言えなかったA男さんだが、長く現場で働き仕事を通じて必要な英語力を身に付けることができた。

■2カ国語で資料作る手間も

 これに対して混乱を招くのが突然、外国語が必要になる事態。多いのは企業のM&A(合併・買収)や資本提携が原因の場合だ。東京在住のB男さん(54)は勤務する製造会社が独社と提携、「ドイツ軍戦車が進駐してきた」と形容するほど社内は一変した。

 上司が外国人になり、会議の会話は英語に。B男さんにはそれをこなせるほどの英語力はなく「まるで海水に放り込まれた淡水魚。しかも一時的に耐えればしのげるわけではないから苦しかった」。

 さらに苦労したのが専門用語。どの業界にも社内でしか通用しない専門用語や略語がある。B男さんの部門にも何百という「自社語」があり、それを簡潔な英語に訳すのは大変な労力だった。当時課長だったB男さんは部下を先導して日英対応表を作成。数カ月に及ぶ作業だったという。

 事業体制の強化で英語化が急に進む場合もある。都内にある外資系IT企業の技術系営業職、C男さん(46)は「英語の社内連絡メールが、この3~4年は実に増えた」と言う。低迷していた国内事業をテコ入れするため米国本社の関与が強まり、直属の上司たちが外国人になった。昇進条件の英語能力テスト「TOEIC」も、以前のように基準点未満でも条件によっては昇進できる例外がなくなった。

 C男さんは2年間の米国駐在経験があり、会議前に英語の資料を作成するのに不自由はない。ただ、外資系でも英語の苦手な社員はいるうえ、取引先や顧客に英語の資料は通じない。そのため「日本語の資料も作成しなければならない。この二度手間には閉口する」と困惑気味だ。

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