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ブームの予感(日経MJ)

28年増収 北陸の酒蔵、海外でつかんだ成功の法則 加藤吉平商店、未開の地を開拓

2013/1/20

1975年をピークに縮小が続く日本酒業界。日本酒メーカー各社が苦戦する中、増収を続けるのが「梵(ぼん)」ブランドで展開する加藤吉平商店(福井県鯖江市)だ。海外市場を積極的に開拓、伸びしろの小さい国内販売を補う。世界の酒類市場では日本酒の認知度は低い。そこで勝負するために、同社はあえて日本酒にとって未開の地を選び、文化の伝播(でんぱ)に努めた。

■香港のシェフや米国のソムリエが訪問

加藤吉平商店 1860年創業。加藤団秀代表は11代当主。欧米やアジアなど海外40カ国以上で販売し、2012年9月期の売上高は33億円で、うち海外比率は17%を占める。最終利益は3億円。増収は28年連続。国際品評会で多くの受賞歴を誇る

JR鯖江駅から車で15分。武家屋敷などが残る鯖江市吉江町に加藤吉平商店の酒蔵がある。

昨年10月。香港の有名飲食店のシェフ3人がこの酒蔵を訪れた。酒造りの現場を見てもらおうと加藤団秀代表が招いた。3人は醸造中の酒が入った仕込みタンクに櫂(かい)を突っ込んでかき混ぜたり、酒の原料となる蒸し米を触ったりしながら醸造過程を体験した。

今年2月には、米国から有名ソムリエ10人が来る予定。これまで酒造りを体験したのは海外のシェフやソムリエ、バイヤーなど約200人。酒造り体験の狙いは日本酒の歴史や文化、伝統を理解してもらうことだ。各国の料理界のオピニオンリーダーに日本酒文化の伝道師の役割を期待する。

■代理店任せにせず、自ら海外に売り込み

加藤吉平商店の加藤団秀代表

加藤代表の手帳には海外出張の予定がびっしり。海外での販売は代理店にすべてを任せず、自ら足を運ぶ。16日からは香港で日本酒を紹介するイベントに出席。26日からリトアニアのビリニュスに、2月は上海やドバイなど、3月は南アフリカなどに向かう。年間40回以上渡航するという。

リトアニアや南アフリカは日本酒の未開拓市場。だが政財界のパーティーで梵が使われることを知り訪ねることに。世界的な日本食ブームは追い風だが「世界の酒のうち日本酒のシェアは1%にも満たない」(加藤代表)。それだけにむしろ開拓余地は無限大で、加藤代表は「先行すれば『ボン』が日本酒の代名詞になる絶好機」と意欲的だ。

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