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職場の知恵

先進企業に学ぶ 女性管理職の増やし方

2012/12/19

世界経済フォーラムの「男女格差指数」によれば、日本の平等度は135カ国中101位。先進国で異例の低さだ。大きな要因が、経済分野での女性の地位。役員に占める女性の割合はわずか1%、管理職も10%強にすぎない。裾野を広げ、女性の活躍を進めるにはどうすればいいのか。先進的に取り組む企業の例をみてみよう。
マーケティング&セールス課長として活躍する日産自動車の張さん(横浜市)

「中国で働いていた時、本社の指示で動くもどかしさを感じていた。自分の意見が生かせるポジションに就きたいと願っていました」。日産自動車中国事業部の張異岫さん(39)は、今年4月にマーケティング&セールス課長に就任した。

1995年に天津の南開大学を卒業して、主に日系企業で働いた。その後、京都大学大学院の修士コースで学び、2004年に日産自動車に入社した。部下6人の半分は中国出身、5人が女性だ。「部下の希望と会社の期待の間で悩む毎日ですが、提案が現地で受け入れられ感謝されるとうれしい」。管理職としての達成感もある。

「まさか自分が管理職になるなんて、考えたこともなかった」。こう話すのは三菱東京UFJ銀行国分寺支店のお客さま相談第二課課長・鈴木愛さん(36)だ。96年に短期大学を卒業して入行。支店の個人窓口や訪問営業で働き、本部の研修部門などを経て、11年4月に課長になった。

3歳半の長女を育てるワーキングマザーでもある。「上司からいろいろと教えられ、将来のキャリアを考えるようになった。人を動かすことは大変だが、部下が成長してくれるのが楽しみ」と話す。子どもを持つ女性課長はまだ少なく、後輩から相談メールが届くこともある。

■継続的な活躍重視

こうした女性管理職誕生の背景にあるのは、登用を促す企業の努力だ。日産自動車は経営戦略として国籍や性など人材の多様化(ダイバーシティー)を打ち出し、04年から女性の活用に取り組んでいる。採用はエンジニア部門で15%、非エンジニア部門で50%を女性にするガイドラインを設定。管理職も17年4月に10%の目標を掲げる。

課長級のキャリアアドバイザー2人を配置し、管理職候補の女性の育成に努める。上司とその上の管理職、人事担当者とともに育成計画をつくり、課題解決のための実践的な講習も行う。04年に1.6%だった女性管理職の比率は12年に6.7%になった。

三菱東京UFJ銀行は、15年3月末までに課長級以上の女性管理職を300人、役付き者比率を15%にするなどの数値目標と実績を社内外に公表している。国井弘美ダイバーシティ推進室室長は「重視しているのは数値自体より、女性が継続的に活躍できる仕組みづくり」と話す。

ネットや冊子、セミナーなどで手本となる女性を紹介して意識改革を図り、研修を通じ男性管理職に多様な人材の活用法を伝える。12年度からは、課長相当職になった女性に、支店長や本部の次長級の管理職が経験知を伝えるシニアメンター制度も始めた。

管理職候補育成で成果を上げているのが、あいおいニッセイ同和損害保険だ。昇格推薦者に必ず女性を入れるよう管理職に働きかけ、積極的に研修を受けさせた。主任から課長補佐の女性は、08年の439人から12年には1361人と3倍に増え、全体に占める割合も42.4%になった。

今年は女性の活用が遅れている部門に対して、個別研修も行った。ただし、課長以上の管理職はまだ3.5%。「早くピラミッド形にしたい」と福岡藤乃ダイバーシティ推進室長は言う。11年から女性管理職に役員や本社の部長が指導者として助言するメンター制度も導入した。

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