年内に終わらせられる? 我が家の大掃除事情
シングルだから頼みたい
12月は時間が過ぎるのがどうしてこんなに早いのか。仕事は多いし、会社の忘年会や女子会で手帳はいっぱい。夜遅くに家に帰り、スーツを脱げば、ふ~っと体の力もほどけていく。この上、大掃除をしろって言われても私には難しいな。
もちろん家を散らかしっぱなしにしているわけじゃない。月1回、掃除の代行サービスを頼み、窓、床と水回りをピカピカにしてもらっている。床はワックスがけしたような仕上がり。バスタブは指でこするとキュッと音がするし、トイレットペーパーの先は恭しく三角に折られ「Thank you」と書いたシールが張られる。料金は1万5千円なり。
「情けない。掃除くらい自分でしなさい」と実家の母は言う。でも、母は父にいろいろ頼めるでしょう。ひとり暮らしだから困ることもあるのよ。それにお風呂の天井や換気扇の上は、背が低くて手が届かない。
ネイルサロンで爪を磨いて塗ってもらえば1万円。美容室でカットとカラーをしたら1万数千円。掃除代行は部屋のすみずみまできれいにしてもらえてこの値段。おかげで大切な人と過ごす時間を確保できる。でもやっぱり、ぜいたくなのかなぁ……。
今年一番の成果かも…
「今週末は家の窓と台所の換気扇の掃除お願いね」
妻のこのセリフを聞くと、「今年も終わりか」とつくづく思う。妻はおせち料理の準備に忙しい。だから毎年仰せつかっているが、最近はだいぶ体にこたえるようになった。
ぞうきんで窓をぬらし、汚れを落とし、ゴム製のハケで水気をふき取る。単純な作業だが、立ったりしゃがんだりの連続は結構つらい。天気が良ければ気分もいいが、そうでないと寒さが身にしみる。
掃除代行のサービスがあるのは知っている。知人によれば「プロだけに手際も仕上がりもいい」とか。しかし他人に家の汚れた個所をのぞかれるなんて、考えたくもない。おまけに費用も数千円かかるという。それなら自分で、と思ってしまうのはケチくさいのか。
でも、大掃除ほど目に見える成果は、普段の仕事でもなかなか味わえるものではない。掃除した後のきれいさは一目瞭然(りょうぜん)だ。今年の心残りをすべてふき取って新年を迎える、その気分の良さ。
妻がしめしめとほくそ笑んでいるのも知っているけれど、それが日本の年の瀬っていうもんさ。
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