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職場の知恵

男性の育児休業、じわり拡大 法改正が後押し2011年度取得率、2.63%に倍増

2012/11/20

職場の知恵

男性の育児休業取得がじわりと拡大している。厚生労働省がまとめた男性の育休取得率は2011年度で2.63%と、まだ低いとはいえ前年度比でほぼ倍増し過去最高となった。10年の改正育児・介護休業法による取得後押し効果も出てきているようだ。

妻と交代し1年半の育休をとった北野さん

「自分が長期の育児休業をとるとは思ってもみなかった」と振り返るのは食品製造会社、日東ベストの千葉県船橋市の事業所で働く北野大樹さん(38)。1年半にわたる第1子の娘の育休から今年4月に職場復帰したばかりだ。

共働き夫婦2人で育休を取得

妻は職場の同僚。娘が1歳になって妻が職場復帰するのと交代し、10年10月から育休に入った。妻の深幸さんは「1年で職場復帰するつもりだったが、子を受け入れてくれる保育園が見つからない待機児童状態だった」といい、夫の育休取得は不可避だったと話す。もともと大樹さんは家事に協力的で、育休中は朝夕の食事作りから掃除、洗濯など専業主夫として活躍した。

北野さん夫婦の場合、2人で育休を取得したのがミソ。実は10年6月施行の改正育児・介護休業法では、男性の育児休業取得を後押しする改正も行われた。「パパ・ママ育休プラス」という制度では、父母で交代するなどともに育休をとれば、原則1歳になるまで可能だった取得期間を1歳2カ月に延長。配偶者が専業主婦(夫)でも育休を取得できるようにしたほか、父親は子の出生後8週以内に育休を取得すれば、特段の事情がなくても同じ子で2度目の育休を取得できるようにした。

大企業などではこうした法定の基準を上回る制度を整えるところも増えている。日東ベストも子が3歳になるまで育休を取得可能で、北野さん夫妻も娘が2歳半になるまでは交代で育休をとった。

妻が専業主婦でも取るケースが増加

妻が専業主婦でも育休を取るケースは増えている。東芝の東京都内の事業所で研究職として働く津田純一さん(44)は第2子の娘の出生後、今年3月まで約5カ月の育休を取った。育休取得は09年の長男出生後に1カ月弱とったのに続き2回目だ。

専業主婦の妻について「長男が生まれた時、夜泣きを繰り返すなど出産直後は母親がいかに大変かがよく分かった。2人目の時は、子が落ち着くまでの半年ほどは育休を取りたいと考えていた」と話す。上司には出産の半年ほど前に育休取得の相談を持ちかけ「最初は驚いていたが、理解してくれた。仕事の引き継ぎなどもスムーズにいくよう環境を整備してくれた」。

まずは短期の育休取得を後押しするケースも増えつつある。出産前後に5日間までの有給の出産休暇を設けている三菱重工業では、昨年約1200人の男性社員が同休暇を取得。今年は昨年を上回るペースだ。子が生まれた男性社員の8割余りが取得し、その4割以上が土日などをつけて7~9日間は休んでいる。

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