粘着テープがすてきなバッグに 針も糸もいらない手芸安価で丈夫、手軽に手作り

超絶技巧、編み込みのポーチを作る人も

寺尾さんの作品は、バッグやペットボトル入れなど数百点にも及ぶ

「超絶技巧の作品を量産する人もいる」(中島さん)という。宮崎県に住む会社員の寺尾隆裕さんがその1人だ。これまでに粘着テープで作った作品は、バッグやポーチ、ペットボトル入れなど数百点にのぼる。クリスマス風の絵柄を切り貼りしたトートバッグや、1センチメートル角に切りそろえた色とりどりのテープをモザイク状に貼ったバッグなどデザインも様々だ。中でも“寺尾流”といえるのが、編み込みの作品。幅2センチ程度に切ったテープを芯にして色テープをベルト状に巻き、これらを編み込んでポーチやバッグを作り上げる。

接着面が見えないよう、試行錯誤を重ねる

高級感やおしゃれ感とは無縁のはずの粘着テープだが、金や紫など様々な色を組み合わせることでデザインの幅は広がる。編み込みへのこだわりは、接着面が見えないように試行錯誤を重ねた結果だ。「粘着テープでどこまでできるのかという好奇心が創作意欲をかき立てる」と寺尾さんはいう。

小さいころからものづくりが大好きで、テープバッグに出合う前は羊毛フェルトで動物などを作っていた。手先が器用とはいえ、最初からうまくできたわけではない。「本を見ながら初めて作ったときはシワができたり空気が入ったりでひどい出来だった」と苦笑する。革のような高級感を出すためミシンで縫い合わせることにも挑戦したが「粘着力が強すぎて刺さった針が戻らず、ミシンが壊れた」。今も外出するたびに創作のヒントを探し、「家とか車も作ってみたい」とも。

汚れてもまた作り直せばいい

藤岡さんは靴の手入れ用品を収納してげた箱に置いている(藤岡さん撮影)

カメラマンの藤岡由起子さんは粘着テープで自作したバッグに折り畳み傘や靴クリームなどを収納し、自宅のげた箱に置いている。初めて作った作品は一般の茶色い粘着テープに、鮮やかな水色の取っ手がアクセントになっている。

「汚れたり、へたってきたらまた作り直せばいいと思えるから日常的に使える」と藤岡さん。掃除用洗剤のストックを入れて洗面所下の収納場所に置いていたこともある。「粘着テープで作った割には見た目がかわいくておしゃれなので、魅せる収納にも役立つ」

粘着テープで作るバッグの良さは頑丈さ・防水性、デザインの自由さに加え、安価なこと。消費税増税が決まり、おしゃれにかける費用を抑えざるを得ない消費者の支持が今後さらに広がるかもしれない。

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