「おい」それとも「ママ」? 妻の呼び名は…
今は名前派が主流だって
我が家では夫婦互いに名前にちなんだ愛称で呼び合っています。私は名前に「ちゃん」付け。独身時代どころか、小学生時代から呼び名は変わりません。
かつては子を持つと「ママ」や「お母さん」といった家族の中の役割に呼び名が変わり、「名前を呼んでくれない」と不満を口にする妻も多かったようです。
ところが最近は名前派が主流。リクルートブライダル総研が結婚経験者に配偶者の呼び方を尋ねたところ、「名前や名前にちなんだニックネーム」がほぼ半数と最も多く、「お母さん・ママ・おかあちゃんなど」(31%)を上回りました。
特に20、30代は名前派が大多数。晩婚化で子のいない夫婦も多いのでしょう。一方、40代以降は役割派が名前派を10ポイント程度上回り、4割ほどでした。60代にいたっては5人に1人が「おい・ねえ」。呼び名には世代差が如実に表れます。
ただ、名前にちなんだニックネームも考えもの。大声で「○ちゃん」と公園やスーパーで呼ばれると、さすがにアラフォーは周囲の視線が気になります。六代目桂文枝を襲名する落語家の桂三枝さんのように、体を表すうまい呼び名を襲名したいこのごろです。
子ども目線なら「ママ」かな
妻を何と呼ぶかはTPOや夫婦の親密度でも変わってくる。状況に応じ男たちは巧みに使い分けているんじゃないかな。子どもの前では「ママ」や「お母さん」。昨年の不二家ファミリー文化研究所の調査でも主流派だった。子ども目線に立てば当然かもしれない。
仲間うちなら「かみさん」や「嫁」。若い世代なら「奥さん」派がいるし、上の世代なら「ワイフ」「家内」派もいる。「かみさん」や「嫁」派は家庭内における地位が想像できる気がするし、妻の尻に敷かれている方が何かと都合がいいこともある。妻を理由にすれば、断りやすいしね。
問題は2人でいるときだ。視界にいるのだから、あえて呼ぶ必要はないし、さすがに名前は気恥ずかしい。我が家では「おい」は恐れ多い。せいぜい「ねえ」とか「あのさ」かな。
「ちゃん」付けなど愛称で呼ぶのは夫婦仲のいい証拠。そもそも関係が冷え切ると、会話はもちろん、呼びかけたくもないからね。 愛称は変わることがあるし、人前では呼べない人もいる。「呼び名の変遷は口が裂けても言えない」。それこそ夫婦のヒミツだから、だってさ。
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