日本は洗濯機もガラパゴス? 日米欧で方式なぜ違う編集委員 小林明

なぜ日本では「渦巻き式」(パルセーター式)が主流になったのだろうか?

急流、高温多湿、短時間……

「かくはん式」より強い水流を起こせるので洗浄力が高いことに加え、洗濯時間がさらに短くて済むことが日本の洗濯文化によく合っていたというのが理由のようだ。

「島国の川の急流を洗濯槽の中で再現した」と山田さんは話す。つまり、桃太郎のおとぎ話に出てきたおばあさんが川で洗濯をする場面を、洗濯槽の中で再現したというわけ。

高温多湿な国に暮らし、清潔好きな日本人には、少量をこまめに洗濯する習慣がある。軟水なのでわざわざ水を熱して洗浄力を高める必要もない。欧州のように熱で殺菌・消毒する考え方もない。洗濯機を量産する際には「渦巻き式」の方が軽量で安価に作れるメリットもある。

「かくはん式」から「渦巻き式」へ

写真5 日本初のかくはん式電気洗濯機(1930年、東芝科学館)
写真6 洗濯槽内の側面に羽根がついた洗濯機(1957年、東芝科学館)

大西さんによると、日本では戦前に「ドラム式」や「かくはん式」の洗濯機を輸入しており、1930年には東芝(芝浦製作所)が国産初の「かくはん式」電気洗濯機(写真5)の製作を開始した。だが戦後になって「渦巻き式」が急速に普及していった。

「最初は洗濯槽内の側面に羽根が付いた洗濯機(写真6)だったが、節水できるように羽根を底部につけた構造にすぐに変化した」(大西さん)。1960年ごろには日本で販売される洗濯機の大部分は「渦巻き式」になっていたようだ。

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