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歴史博士

江戸時代に学ぶ猛暑・夏バテ対処術

2011/7/20

土用の丑(うし)の日(7月21日)前後は1年で最も暑さが厳しい時期。今年は台風6号の影響で一層蒸しそうだ。一方、例年より約10日早い梅雨明けで暑さ対策にやや出遅れた人も少なくなさそう。そこで電力の無かった江戸時代の猛暑・夏バテ対策を振り返ってみた。省エネで低コスト、手軽に今日からでも間に合うのが強みだ。

■打ち水 日中は逆効果

現代にも続く消夏法だが「実見 江戸の暮らし」などの著者、石川英輔氏は「夕方に日が陰ってから水をまかないと意味がない」と力説する。日中に焼けたアスファルトへの打ち水はすぐ蒸発してかえって蒸し暑く感じる。実際、岐阜県多治見市では昨夏、日中の散水を中止した。

江戸時代では夕方に打ち水してから縁台を出して涼んだ。地面が土なのも打ち水の効果を高めた。「湿気を保ち土中にもともとある水分を引き出す効果も期待できる」(石川氏)という。午後6時半頃が適切なタイミングのようだ。

■うちわ 江戸末期には人力扇風機も登場

手回しの扇風機も登場。「偐(にせ)紫田舎源氏」から(石川英輔氏蔵)

貴族や武将が使ったうちわが、風を送る日常の生活道具に変身したのは江戸時代に入ってから。現在全国生産の9割を占める「丸亀うちわ」には寛永10年(1633年)が始まりという説がある。金比羅大権現の別当が参詣土産として「渋うちわ」を提案したそうだ。木版技術の発達で量産化が可能になり藩も後押しした。手軽で身分を問わず幅広い階層で利用された。

江戸時代末期には人力扇風機も小説の挿絵に登場している。筒にうちわを6枚付けて手回しで風を送る簡単なものだが、あまり普及はしなかったようだ。

■甘酒 夏バテ防止効果も

100万人を超える人口密集都市・江戸で人気があったのが甘酒。俳句で「甘酒」は夏の季語だ。

甘酒売り「江戸府内 絵本風俗往来」から(石川英輔氏蔵)

江戸時代の風俗・風習を記録した「守貞漫稿」によれば行商人が市中を棒手振りの天びんを担いで売って回った。価格は1杯4文(1文=15~20円)程度からあったという。

米とこうじ菌で作るノンアルコールの甘酒はブドウ糖を多く含み、ビタミンB1、B2、B6、アミノ酸群など栄養が豊富。食欲増進の効果もあり格好の夏バテ防止用ドリンク剤だ。行商人は荷に釜などをのせ、熱さを保ちながら売りさばいた。

永山久夫・西武文理大客員教授は「暑い時期に熱い飲み物は効果的。江戸の庶民は川べりで甘酒を飲み、汗が引く時は皮膚表面の熱さが奪われ涼しさを味わったはず」と話す。

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