仙台七夕も大飢饉と関係
先祖をまつる「盆」の行事にみるように夏は鎮魂の季節。リズミカルで面白い「阿波踊り」も死者を供養する盆踊りが起源だ。毎年200万人以上が訪れるとされる「仙台七夕まつり」は「伊達政宗が積極的に奨励した」(近江恵美子・東北生活文化大教授)。天明3年(1783年)には天明の大飢饉を乗り切るため盛大に行われたという。華やかに催すことでより大きな鎮魂の力が得られるとする考えがあるようだ。
8月6―8日に開催される今年の仙台七夕まつりのテーマは「復興と鎮魂」。仙台市ではプレ夏祭りとして7月16、17日に青森の「ねぶた祭」、秋田の「竿燈」、福島の「わらじまつり」など東北6県の祭りが競演する「東北六魂祭」も予定されている。近江教授は「東北の夏祭りは『盆』の前に行われており鎮魂の目的では共通するものがある」と指摘している。
(電子整理部 松本治人)