ケータイで梅雨を楽しもう
雨天クーポン、虹予報が活躍
「雨が降りそうな日を選んで友達と会う約束をする。雨の日をむしろ心待ちにしている」――。東京都品川区に住む野沢直人(38)さんが利用しているのが、雨が降るとお得になるメールサービス「月形半平太メール」。
このサービスは、飲食店情報サイト運営のぐるなびが日本気象協会やNTT東日本などと共同で運営する。登録した住所の「雨の降り始め予想時刻」を記載した「雨降り始めーる」が配信される。
関東440店登録
メールには雨の日限定で料金などが割引となるクーポンへのリンクがはられている。「会計30%オフ」「ドリンク50%オフ」から「タラバガニ1人前2500円が0円に」「帰りの際に傘プレゼント」など、クーポンの内容は多種多様だ。
雨天時の来店促進策として始めたこのサービスに加盟する飲食店は関東で440店、関西で120店。「雨の日は客足が鈍り、予約のお客さんでさえ来なくなるなど悩みの種だったが、売り上げの落ち込みをカバーしてくれているといった声が寄せられている」(栗田朋一総合政策室広報リーダー)と、飲食店からの評判は上々のようだ。
現在メールを受け取る会員数はおよそ6万人で、無料で登録が可能だ。
気象情報サービスのウェザーニューズは今年4月、外出先などでも全地球測位システム(GPS)を使って利用者の位置を把握し、雨雲の接近を知らせるメールサービス「雨雲アラームLiVE」を始めた。現在地付近の雨雲の動きを表した予想図を10分ごと、1時間先の分まで提供する。
雨雲レーダーと1日当たり約10万人から寄せられる情報を合わせた予想で、レーダーにとらえられない細かな雨や突然降り出す雨にも対応できるという。
梅雨の時期は雨上がりに虹を見るチャンスも多い。ウェザーニューズのサイト内には、登録した地点で虹が見えやすい条件になれば携帯電話のメールで知らせてくれる機能もある。さらに6月には梅雨の植物の定番、アジサイの写真を利用者が投稿できるサービスも始める予定だ。「梅雨もひとつの季節として楽しんでほしい」(同社)という。
ぬれにくい道順検索
急な雨に遭い、傘も持っていないときに利用したいのが経路探索サービス大手ナビタイムジャパン(東京・港)が運営する道案内サービス「NAVITIME(ナビタイム)」だ。
目的地を入力して「屋根が多いルート」を選択すると、地下街やアーケードなどを優先した道順が表示される。最短ルートに比べると遠回りになることもあるが、あまり雨にぬれずに目的地まで行くことができるという。傘は持っていても荷物の多い人やベビーカーを押す女性などの利用も想定している。
強い雨の日は鉄道のダイヤも乱れる可能性がある。同サイト内の「鉄道運行情報メール」は首都圏のJRなら15分以上、地下鉄などその他の鉄道なら30分以上の遅れが発生するとメールで知らせてくれる。「ゲリラ豪雨などで鉄道が運休になった後は新規の登録者数が通常よりも多かった」(同社)。ただ復旧情報については新たにメールは来ない。最初のメールにはられたリンク先に随時アクセスして確認することが必要だ。(電子報道部 安部大至)
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