ネットで聞いた レンタル「こう使って得した」
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レンタカーや中・高級家具
限りあるお金や収納場所を節約したい。そう思ったらレンタルサービスで「買わずに借りる」のも手だ。利用者に聞いた「賢く使うコツ」を専門家に評価してもらった。
専門家の支持が集まったのはレンタカー関連のノウハウだ。マイカーを手放して必要な時だけ借りれば保険料、維持費や車庫代の節約効果は大きい。また旅先で使うレンタカーはパックツアーに付いているものを使わず、地元業者を事前に探した方が安い、など利用者からは実体験に基づくコツが多く寄せられた。選者からは「最近はカーシェアリングも注目」(丸山晴美さん)という声も。
自転車レンタルの活用法も寄せられた。旅先などではレンタカーより低料金・低コストで健康にもよい。専門家の評価が高い「シェアサイクル」も注目。街乗り用レンタル自転車で「拠点が十分ではないが、自転車すら止められない都心では有効」(牛窪恵さん)。
4位の白物家電は単身赴任や学生の一人暮らしなど数年程度のニーズが多いが、最近は就職した独身者など、もう少し長期間のレンタル利用も増加。「結婚など生活が安定した時点でライフスタイルにあうものを購入する、という点でおすすめ」(神原サリーさん)
2位のベビー用品、6位のふとんなどは実際には使わない期間も長く、買ってしまうと収納場所が悩みの種。レンタルは質、量ともに比較的充実しているため、うまく活用したい。
8位に入った家具では欧米で浸透している「レント・トゥ・オウン」サービスが日本でも始まっている。フォー・ディー・コーポレーション「スタイリクス」は中・高級家具を割賦感覚で借りられ、2年程度たった後に返すか、残額を払って買い取るかを選べる。家具は高額なだけに、金利・手数料が不要でお得感があるようだ。
同じく8位の旅行用品では、米国旅行の際にTSAロック付きのスーツケースを借りるのがおすすめ。米国の空港ではテロ対策で荷物はカギをかけずに預けるよう求められ、施錠していると検査時にカギを壊される可能性がある。TSAロックなら係員が特殊な合鍵で解錠し、検査終了後に施錠し直してくれる。
調査の方法 事前調査としてインターネット調査会社のマクロミルを通じ、レンタルサービスの利用経験がある全国の成人男女(有効回答1030)に対し4月26~27日に聞き取り。サービスを賢く、お得に使うための具体的ノウハウで周囲に伝えたいものを自由回答で挙げてもらった。次いでサービスに詳しい識者・専門家に(1)金銭的にメリットがある(2)買うのに比べて利便性が高い(3)商品選択の幅が広いなどの利点がある(4)最近のライフスタイルの変化に適応している――などの観点から評価してもらった結果をランキングとしてまとめた。選者は次の通り(敬称略、五十音順)
阿部絢子(消費生活アドバイザー)▽牛窪恵(マーケティングライター/トレンド評論家)▽金森努(金森マーケティング事務所)▽金子哲雄(流通ジャーナリスト)▽金子由紀子(オールアバウト「シンプルライフ」ガイド)▽神原サリー(家電コンシェルジュ)▽河野真希(一人暮らしアドバイザー)▽丸山晴美(節約アドバイザー)▽村山らむね(消費生活アドバイザー)▽矢野きくの(節約アドバイザー)▽和田由貴(節約アドバイザー)
「料金安くして」「新品借りたい」 意外にある交渉余地
今回、利用者の声で目を引いたのは「業者との交渉余地が意外にある」との声だ。レンタル業者も「予算が不足していても相談して」(アコムレンタル)と助言する。ケース・バイ・ケースだが、商品が空いてさえいれば割安に貸し出すことも。また同社では冷蔵庫、洗濯機、電子レンジなど主要家電4点セットを借りる際、中古品がいやなら、単品で借りるより約20%安いセット割引の代わりに、新品をレンタルすることもできる。
配送・設置が無償で故障時などの交換が容易なのもレンタルの隠れた利点だ。たとえばサークランドの「かして!どっとこむ」は都市部を中心とした定期配送ルートを使い、故障時の代替品を原則翌日に届ける。逆にイベント用品などを都内の配送センターまで取りに行けば、配送料に相当する分を割り引くという。
イベント用品はレンタル業者の目玉商品。借りる際には食材調達や会場の電源確保など専門ノウハウも同時に得られる。
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