DVDレンタル、ネット活用で時間・コスト節約
節約をかねて週末や連休を自宅で過ごす人も多いだろう。そんなときに役立つのがDVDのレンタルだ。特にインターネットを使って申し込み自宅に届けてもらうサービスは、家にいながら手軽に借りられ、休日に混雑する店舗にわざわざ足を運ばなくても済む。サービスも充実しており、お得に利用する方法とコツをまとめてみた。
東京都に住む山田秀明さん(29、仮名)はネットレンタルを利用し始めて3年がたつ。店舗でのレンタルからネットへ替えたのは就職してから。学生時代から頻繁に映画を見始めたが、「仕事を始めると帰宅が遅く、平日に店までわざわざ足を運んでいる余裕がない。休日に行っても好きな作品が借りられており、無駄足に終わるときも多い」という。だが、ネットでのレンタルなら好きな作品を事前に登録しておけば家に届く。店に行く手間も省け貴重な週末に映画を見る時間を確保できる。
加えて「値段が安い点も魅力」と強調する。「毎月定額なので一見すると料金は高そうに見えるが、1枚あたりの値段は店舗より安い」
実際に価格を見てみよう。日本映像ソフト協会の調べ(2010年)によると、全国の実店舗のレンタル料金の平均は、新作が1泊2日で371円、旧作が273円、2泊3日では新作が438円、旧作が290円だ。
一方でネットを使えば料金は安い。主なプランなら各社とも1枚あたり200円強。延滞料はかからず、好きなだけ手元に置いて見られる利点がある。駅前や街中などに店舗を持つ必要がない分コストが削減でき、利用者にもお得なサービスというわけだ。
では実際に各社のサービスを見てみよう。概要を表にまとめた。
利用方法はどの会社も基本的に同じだ。ネット経由で借りたい作品を申し込む。送られてきた作品を見終わった後は郵送で返却する。返却が確認できればまた新たな作品が手元に届く。返却するときは作品と一緒に送られてきた封筒などを使ってポストに入れるだけで送料はかからない。
各社の違いは価格やプランの中身だ。表にのせたプランは主なもので月々に借りられる上限枚数が8枚と決まっており、2枚1組にして貸し借りをする。ほかにも1カ月あたりに借りられる上限枚数が増えたり、1枚ずつ貸し借りができたりと様々だ。
どの会社のサービスがいいかを知りたいときは、まず無料のサービスを使ってみよう。楽天をのぞく3社は1カ月ほどの無料お試し期間を設けている。実際に使ってみれば、使い勝手がよく分かる。各サービスを利用しながら検討し、自分にとって使いやすい会社に申し込むのも方法だろう。
どの会社を利用するか決めるうえで気をつけたい点が借りやすさだ。人気商品になるとレンタル希望者も多いため、手元に届くまで時間がかかり何日も待つ可能性がある。そのため人気作品を多く持っている会社は借りやすい。在庫数は日々変わるため開示しておらず、表にはタイトル数を載せた。タイトル数が多くても作品の保有在庫が少なければ借りにくいので気をつけよう。お気に入りや人気の作品が借りやすいかどうかもよく見極めてから申しこもう。
届く日数も大切だ。便利なネットレンタルだが、配送にある程度の日数がかかるというマイナス点もある。交通事情などの影響で配送が遅れる場合もあるだろう。そのためTSUTAYA DISCASは東日本、西日本に配送拠点を設け、配送期間の短縮を図っている。楽天はネットで手続きすると早めに次の作品を発送するというサービスを取り入れている。配送にかかる日数が短ければ待ち時間が少なくてすみ、使いやすさにつながる。
各社ともプランによっては1カ月に借りられる上限枚数が決まっているが、もし上限まで借りられない場合は、余った枠を翌月に繰り越せるサービスもある。例えば月に8枚の枠を持っており、今月6枚借りたとする。余った2枚分は翌月に繰り越せ、翌月は10枚分借りられる。各社とも同じようなサービスを提供している。繰り越しに追加料金はかからないのも特徴だ。
利点の多いネットレンタルだが、注意点もある。各社が設ける約1カ月間の無料お試し期間だ。期間内に解約などの手続きをしないまま約1カ月を過ぎると、自動的に課金が始まってしまう。無料期間内に続けて利用したくないと決めれば、早めに解約などの手続きをしよう。
(林哲矢)
[日経プラスワン2011年4月9日付]
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