フォッサマグナで変わるポリタンクの色 赤と青、白も
「海の家」改めノンジャンル(3)
「ポリタンクの色分布」のVOTE結果が出た。
「ポリタンク」。いやいやきれいに出たものである。やはり新潟―長野―静岡のラインより東は赤地帯。西がほぼ青地帯に別れた。境界線にあたる岐阜、三重は当然と言えば当然ながら混在地帯というところが面白い。VOTE総数1700余なので相当確度が高い結果と思われる。
赤が100%だったのは秋田、群馬、茨城、栃木、宮城、沖縄。
栃木、茨城の煮イカコンビは絶対赤だっぺコンビでもあった。
糸魚川・静岡構造線との関連を見る。今回は初めて新潟と静岡を東西に分けてVOTEしていただいたが、新潟については県西部からのVOTEが東部に比べて極端に少なく、境界線を語るデータが得られなかった。
しかし、静岡では有意な数字が出ている。静岡市役所より東部では赤79%、青8%、混在13%に対し、西部は赤32%青21%、混在47%だった。半分だけのデータだが、「ポリタンクの色は糸魚川・静岡構造線辺りを境に別れる」という仮説は、まだ十分な可能性を残していると言えよう。
すなわち、東日本赤色軍団が静岡市辺りにきて西日本青色軍団と激突し混戦に突入。混戦は岐阜にも及ぶが滋賀の真っ青な壁にブチ当たって、岡山、山口、愛媛という混在地帯を除き、そこから青優勢地帯に染まっていく。ただ、理由不明ながら徳島と沖縄は局地的に赤優勢である。
その結果、四国はばらばら。引っ越すときは気をつけよう。北海道も大混在地帯。
「気分は九州人」と言ってはばからないエミー隊員のふるさと山口は混在地帯だが、これについてエミー隊員は次のように語っている。
エミー隊員 うちの実家は青だったそうです。心は九州人のままです。ていうか、この状況では中国地方にも入れてもらえない? 言い忘れましたが、詳しいデータは詳細版の地図でご覧になれますので、下の「関連情報」にある「食べ物日本地図へ」をクリックしてください。
新潟県からのメール。どれも最後は同じ物件を志向する。
栃尾出身の人たちは市外に出て、その油揚げの小ささにカルチャーショックを受けると聞きました。しかし、今ではコンビニなどの影響でそんなことも減っているのかもしれませんね。
ちなみに、お豆腐の大きさもいろいろではありませんか? 最近は少なくなりましたが、長岡のお豆腐屋さんのお豆腐は普通サイズ(この定義は難しそうですが)の約2倍、ほぼ立方体でした。料理のレシピなどで豆腐一丁とあるときは半分にする、と読み替えていた母の姿を覚えております。
三林京子さんのおっしゃるあめ湯、冷やしあめ、何それ? と思いました。水あめを湯に溶かしてあめ湯、わりばしにからめ取った冷やしあめ……ぜんぜん違いそうです(おおしまさん)
栃尾の油揚げ。中に刻みネギを大量に詰め込んで焼いたものに醤油を垂らして食べたことがあります。おいしかったですね。それで日本酒の冷やかなんかをぐびっとね。
世帯当たり豆腐購入量日本一の盛岡の豆腐もでかかったですよ。スーパーで一丁500グラム級のもを普通に売っておりました。
豆腐と言えば北海道の購入量はずっと実質ビリです。豆腐、嫌いですか?
ここでデスク乱入 あっ、あの内神田の「へぎそば」の店で食べられるやつですね。あれは酒のつまみに最高です。つまみっぽいのに結構ボリュームもあるし。
そう、私もあの店で食べたの。
揚げたてのあぶらげを店先でお皿にのせてもらって醤油と七味かけて、はふはふと食べるおいしさといったらたまりません。こういうのは素直に食べるのが一番すてきです。
でもね、栃尾も中越で、地震に遭った地区なんです。あぶらげ屋さん大丈夫かな? 心配です(新潟市 矢作ちかぶーさん)
油揚げと言ってはいけないのです。「あぶらげ」です。覚えておきましょう。でないと栃尾のあぶらげ屋さんから注意されるそうです。
デスク同調 僕ん家も昔っから「あぶらげ」ですよ。両親は東京の下町ですが。
先日メールしたようにかなり塩辛いです。そこでレモンを絞ると中和されて、それなりに食べられるようになります。ですが、いかんせん元がかなりの塩辛さですので、慣らされただけなのかもしれません。ちなみにキャッチフレーズは「永遠の定番メニュー」です。
なお、レモンラーメン、気になったのでネット検索したところ少数ながら各地で存在すると知りました。見た目はほぼ同じですが、これらの関連については不明です。各地で独自に発生したものかと。
さて、「おいなりさん」といえば油揚げ、油揚げといえば「栃尾のあぶらげ」です。栃尾市の「あぶらげ」は、20センチを超えるその大きさはもちろん、肉厚で密度の高い質感で知る人ぞ知る逸品です。新潟の居酒屋には「栃尾あぶらげ」なる単品メニューもよく見られ、脇役になることが多い油揚げ界では数少ない主役をはれる役者です。
江戸時代以来の伝統があり、市内の油揚げ専門店ではその場で揚げたてを食すことも可能です。歴史・地域密着度も高く『king of 油揚げ』といっても過言ではないでしょう。ちなみに私は納豆のはさみ焼きがお好みです(あがきた@新潟さん)
揚げたてのあぶらげを熱いうちに食べるんですね。私は通常サイズ食品売り場常備型油揚げ同様、焼いたり煮たりして食べるものだと思っていました。私が食べた東京の新潟料理店ですは、作っている場所じゃないから焼いて出していたわけですか。
そうだったのかー。となると現場に急行するしかありません。が、いまはそのときではないかも。
またまた同調 納豆のはさみ焼き、うまいですよねぇ。少し焦げたあぶらげがカリっときて、そのあと中の納豆がふにゅっと糸を引いたりなんかして。もう、サイコー!
各種おしゃべりが続々届いている。でもちょっと待ってね。いくつかに分類できそうな感じになっているので、来週到着分と一緒に整理して紹介する。こばりんさん、来週ですよー。
今後のテーマをじとーっと考えているが、どうも「おでん」はもう1回やった方がいいような気になっている。「おでん再論」をやらなければならないだろう。
というわけで、おしゃべりの中におでんネタも入れていただけるとありがたい。
私とデスクはこれから久留米に急行する。デスク、自腹の調子は万全だね。では、行こまいかっ。
デスク自腹をたたきながら はいな。
(特別編集委員 野瀬泰申)
[本稿は2000年11月から2010年3月まで掲載した「食べ物 新日本奇行」を基にしています]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。