クールビズやウォームビズなど、ビジネスシーンでのカジュアルな装いが定着してきました。導入されたばかりの頃は「カジュアル」の解釈があまりにばらばらで、狂騒とすらいえそうなオフィスの風景が繰り広げられていました。さすがに最近は沈静化したようですが、企業の人事担当者や幹部と話しをすると、「ちょっと、それはどうなの」と思えるようなことがまだあります。うっかり「外した装い」でビジネス上の信頼を損ねないためにも、いま一度「カジュアル」について考えてみませんか。
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まずもって、「ダメダメ感」を漂わせるような失敗は避けたいところです。以下に、典型的な失敗例を4つ挙げました。ビジネスシーンでのカジュアルについて話をしていると、「いくらなんでもアレはないですよね」と必ず出てくる「あるある」です。あなたは大丈夫でしょうか。
1. スーツをカジュアルダウン?
いつものスーツスタイルからネクタイを外し、第1ボタンから第2ボタンを外しただけだったり、ジャケットを脱いでシャツとパンツだけになったりした格好。スーツの下にカジュアルシャツやポロシャツを着る場合も。
「スーツ」は全てのアイテムがそろって初めて完成するスタイルです。ネクタイやジャケットなど、何かひとつでも欠ければ、「だらしない」「中途半場」な印象の服装になってしまいます。
また、カジュアルシャツなどの素朴な生地は、スーツのなめらかでハリのある生地とは相いれません。スーツのカジュアルのそれぞれのアイテムは使い分けるものなのです。
2. 気を使わなければカジュアル?
Tシャツ、ゆったりとしたパンツ、パーカーなど、ただ気楽に着られるアイテムばかりを組み合わせた格好。もちろん、ジャケットは着用しない。
「カジュアルはきちんとしていなくていい服装」という間違った思い込みをしていると、ただ「気楽」という視点だけから服装を選びがちです。着心地が楽であったとしても、仕事なら「きちんと感」を考慮しなければ、信頼や好感は得られません。
3. 派手だとカジュアル?
派手な色や柄のアイテムや、大きなブランドロゴなどが入ったアイテムをここぞとばかりに着た格好。
カジュアルにもTPO(時・場所・場合)があることがわからないと、学生時代などに経験したポップな装いとなってしまう場合があります。カジュアルが派手とは限りません。
4. カジュアルであれば何でも許される?
ゴルフウエアのポロシャツとスラックスの組み合わせや、すねを出したハーフパンツ、ふくらはぎか膝までのソックスなど、スポーツシーンやリゾートシーンの格好。
これもTPOには無頓着で、「カジュアル」とはスポーツやリゾートで着るもの、と思い込んでいる場合によくあります。実は、リゾートカジュアルならハーフパンツにソックスはやぼったいのでバツ。二重のミスです。