成績下位でも自信満々 ホークス社長が学んだ湘南高
後藤芳光・福岡ソフトバンクホークス社長兼オーナー代行が語る(上)
後藤芳光・福岡ソフトバンクホークス社長兼オーナー代行
2017年、2年ぶりにプロ野球日本一となった福岡ソフトバンクホークス。社長兼オーナー代行で、ソフトバンクグループ専務執行役員(財務統括)でもある後藤芳光氏(54)は、神奈川県有数の進学校、県立湘南高校(藤沢市)の出身だ。今や常勝球団を率いる後藤氏だが、意外にも高校時代、勉強は敗戦続きだった。
湘南高校の後輩で東京大学の宮台康平投手が、今年のドラフトで北海道日本ハムファイターズから指名され、話題となった。
高校の後輩なので陰ながらずっと応援していました。でも実は、宮台君は湘南の生徒としては例外中の例外です。
湘南からは、私の代も東大には何十人も入りました。しかし、宮台君と同じく文系で最難関の法学部に入ったのは、数人程度。しかも宮台君の場合は、強豪校ひしめく神奈川県の大会で上位に進出するなどバリバリに野球をやりながらの現役合格です。とても人間業とは思えません。宮台君のように、個人レベルで文武両道を究めるのは異例のことです。
現役で東大に入ったことも驚きです。私がいたころの話ですが、現役で難関大学に合格する生徒は、かなり少数派でした。ほとんどが浪人で、2浪もざらでした。かくいう私も2浪して一橋大学に入りました。
かりにも進学校ですから、受かりそうな大学を選んで受験すれば合格するのに、あえてそうしない。とくに男子生徒は、すべり止めも受けずに東大などトップレベルの大学に果敢に挑戦し、玉砕するのが普通でした。
なぜそんな無謀なことをするかといえば、おそらく、みんな自分に強烈な自信があったのだと思います。湘南に入る生徒は、中学時代は成績がトップクラスばかり。ですから、高校で成績が悪いのは単に勉強していないせい、ちょっと本気を出して勉強すれば成績なんてすぐに上がるはずといった、自信過剰というか、根拠のない自信を持った生徒が非常に多かったように思います。