悪魔と美人刑事が相棒に 『ルシファー』初登場1位
2017年3月 海外ドラマ月間レンタルランキング
美男美女のコンビものは、人気犯罪捜査ドラマの定番パターン。『X-ファイル』のモルダーとスカリーは有名だが、近年も『THE MENTALIST/メンタリスト』『キャッスル/ミステリー作家のNY事件簿』『BONES-骨は語る-』など、数々のヒットドラマが生まれている。その系譜を受け継ぐ新作『LUCIFER/ルシファー』が、TSUTAYA月間ランキングで初登場1位となった。
『ルシファー』は地獄に飽きてロサンゼルスに舞い降りた悪魔のルシファーが、女性刑事とコンビを組んで犯罪を追う犯罪捜査ドラマ。主人公が悪魔というのが目新しい設定で、悪魔ゆえに肉体は不死身。しかも相手の本心を引き出せるという特殊能力を持ち、それを尋問に生かして事件を捜査する。ルシファーはワインと美女を愛し、高級ナイトクラブのオーナーとして優雅な生活を送っていたが、知り合いの女性が目の前で殺されたことから、女性刑事クロエに協力することになる、というストーリーだ。
無敵のルシファーだが、思い通りにならない相手が相棒となるクロエ。辣腕刑事だが元女優という変わった経歴で、幼い娘を抱えるシングルマザー。ルシファーを悪魔だと信じない彼女には、特殊能力もなぜか通用しないから、本心がわからない。そんな2人が反発しつつも、協力して事件を解決していくという最新のバディ(相棒)ドラマである。
米FOX局で2016年1月に放送スタート。ファースト・シーズンは全13話だったが、好評を受けて、同年9月から始まったセカンド・シーズンは話数が増えて全18話に。サード・シーズンの製作も決まっている人気シリーズへと成長している。
製作総指揮にあたるのは、映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズやドラマ『CSI』シリーズなどのヒットメーカー、ジェリー・ブラッカイマー。スタイリッシュでポップな作風は本作でも健在で、派手なアクションもちりばめられている。
1話完結型で事件を解決
ルシファーを演じるのはトム・エリス。ドラマ『ワンス・アポン・ア・タイム』のロビン・フッド役で知られる、イケメンの英国俳優だ。190センチを超える長身で、セクシーな外見とユーモアを併せ持つルシファーを好演している。相棒のクロエ役はローレン・ジャーマン(ドラマ『シカゴ・ファイア』など)。正義感が強く、それゆえに孤立することもある女性刑事が似合っている。
TSUTAYA レンタルユニット 映像チーム海外ドラマ担当の中山知美氏は本作の人気について、「アメコミ原作ですがその色は薄く、シニカルで魅力的な主人公が美人刑事と犯罪を解決する1話完結型の王道の作品。同じ系譜である『メンタリスト』『キャッスル』『BONES』が惜しまれつつファイナルを迎えるなか、その後釜のポジションにうまくはまったようです」と言う。
『メンタリスト』はシーズン7(15年まで)、『キャッスル』はシーズン8(16年まで)、『BONES』は17年から始まるシーズン12をもって、それぞれファイナル・シーズンとなり全米での放送が終了。長く人気だった美男美女コンビの犯罪捜査ものが姿を消していくなかで、新たに登場した『ルシファー』にファンが飛びついたようだ。
すでにサード・シーズンまで決まっているので、美男美女コンビの新たな定番ドラマとしてロングヒットが期待できる作品になりそうだ。
(日経エンタテインメント! 小川仁志)
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