おいしいチャーハン、カギは卵? パラパラの秘密とは
卵(7)
今回はいきなり本題から入る。
味は、高知名物ごっくん馬路村のようで、ユズの香りで甘くて、とても酢と卵とは思えませんでした。何でも吟味した選りすぐりの材料で、飲み続ければ血圧降下やダイエット効果もあるとか…同行の母が買ってくれたので飲んでいますが、今のところダイエット効果は見受けられません(にゃんちゃん)
四国観光立県推進協議会によると、これは酢と卵、ユズ、アセロラなどを合わせた健康飲料。
内子には松山から予讃線に乗って一度行ったことがある。坂道の両脇に古民家が並び、由緒ある芝居小屋が残っている。そこで文楽の公演があって、人間国宝の竹本住大夫さんが太夫を勤めた。風情のある店で晩飯を食べたことはよく覚えているが、文楽の方は…。
デスク羨望の眼差し あのぉ、僕、生まれて40数年、一度として四国の地を踏んだことがありません。行ってみたいなぁ。
野瀬 すごくいいとこ。おいしいものてんこ盛り。
先日、友人とチャーハンをつくる際の卵の投入タイミングが話題になった。私は最初に中華鍋でスクランブルエッグをつくり、それをいったん取り出しておく。具材を炒めご飯を加えた段階でその卵を投入する。
それは「素人だ」と言われたが、腹も立たなかった。だって天下無敵の素人なんだもん。
ご飯:1膳を1人前とします、冷や飯はデンプンが老化しているので電子レンジで加熱しておきます。
鶏卵:1人前2個、できるだけ冷蔵庫から出して室温にしておきます。
塩、コショウ:お好みで。
<作り方>
1.ボウルなどに卵を割り十分かき混ぜ卵白をほぐし、さらさらにしておく。黄金色が濃いのをお望みの場合は卵黄のみで人数分の倍の鶏卵を用意してください。
2.先ほど加温したご飯にほぐした卵を入れ卵かけご飯の要領で混ぜます。
3.フライパンあるいは中華鍋にサラダ油を入れ沸騰させます。その後卵かけご飯を入れ火傷しないように木製しゃもじで塊ができないよう手早く混ぜ、ご飯粒がばらばらになるように炒め、塩、コショウで味付けします。卵に少ししょうゆなどで味付けをしておいてもかまいません。
4.要領よくパラパラご飯にするには素人の私はご飯2膳が混ぜる限度です。何回かやってコツをつかむと簡単にでき、友人たちが驚きました。仕上げにごま油(香油)を1、2滴たらして香りつけにしますと隠し味になります。お好みでカキ油を入れても何を入れても熱いご飯と十分にほぐした卵さえあれば失敗しません。
5.中国人は小さな小さなアミみたいな干しえびを隠し味に入れているようです。
野瀬さんもお宅でお試しあれ(沼さん)
デスクごくり…(つばを飲み込みながら遠くを見る目)
中華料理の油の温度は高いと思ってはいたが、沸騰させるのかあ。「沸騰するまで油を熱する」ことがポイントだったんですね。これまで温度が低すぎたかもしれない。よし、黄金パラパラチャーハンに挑戦しよう。
で、スクランブルエッグはつくらないのね。つくるのはやっぱり素人なのね。
前回「長崎チャンポン」さんからご質問があった長崎のカラフルな卵を使った食べ物に関して2通。
色をつけたゆで卵を、色をつけた魚のすり身(かまぼこ)で包み、蒸してから油で揚げます。それを輪切りにしてきれいに並べると、孔雀が羽を広げた姿に見えることからその名が付いたそうです(久留米やきとり学会の豆津橋さん)
長崎では「竜眼」、日田では「孔雀」。長崎と大分では名前が違うが同じものらしい。
温度卵と温泉卵の違いはいまだに不明。そこにまた新手が現れた。
ロッキーの生卵飲みに関連して。
ひとつ言えるのは、これは手先が器用ではじめて可能な食べ方(飲み方)だということです。その意味で、いかにも日本人の得意技だなあとつくづく感じます。
ロッキーが朝トレに出かける前に生卵を飲む場面の意味について「普通の人は口にしない生卵を、敢えて、ゲテモノ的強壮剤の感覚で摂取する、そのくらいスゴい自主トレをしておるのだ、ということの説明だ」と後で聞かされて、ありゃーそういうことだったのかー、と驚愕した覚えがあります。だって私は「コップがないと卵も飲めないなんて。アメリカ人って不器用だなあ。穴開けるんだよ穴」とほんっとうに思い込んでいたんですよ!(日野みどりさん)
だいぶ前のテレビ番組でSMAPのメンバーが罰ゲームとして生卵を飲む、というのがあった。ロッキーと同じくコップで飲んでいた。
私は生卵を飲むのがどうして罰ゲームになるんだろうと不思議だった。私が子供のころ、生卵は滋養と強壮の源で、日野さんが書いておられるように殻に穴を開け、直にちゅうちゅうやっていたのである。しょうゆなんか垂らすと美味かったんだぞー。
デスクうーん 何か生卵を飲むって精力つけたいおっさんが鼻つまんで「えい、やぁ」で飲む、というイメージが強いんですけど…。昭和30年代っぽい感じで。
ベティー隊員 コップで飲むと黄身も白身も一気に口に入ってきますよね。味がついていなければ結構キツいものがあるかも。
これは昔の卵が有精卵であったからであろう。いまは普通、無精卵で有精卵はなかなか手に入らない。色川武大の「喰いたい放題」を読んでいたら、やはり「有精卵が手に入らなくなった」と書いていた。1984年のことである。
豊下製菓の豊下さん。
良すぎるくらいのタイミングで有精卵の写真の来着である。烏骨鶏の卵も有精卵。実にみごとである。どこで手に入れたんですか?
(特任編集委員 野瀬泰申)
[本稿は2000年11月から2010年3月まで掲載した「食べ物 新日本奇行」を基にしています]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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