すき焼きの卵、かき混ぜる派、混ぜない派? 牛丼は?
卵(3)
今回は外国在住の同人からのメールが多い。ネットって凄いなあ。こんなに情報が集まっちゃった。まずは米国から。
しかし私はいつも朝食の店に行くときには「sunnyside up(ひっくり返さないいわゆる目玉焼き)半熟でね」と言っても一度も警告を受けたことはありませんね。大体目玉焼きをたのんで半熟以外で出てきたことないですね~(アメリカ在住20年の小樽出身者さん)
これは目玉焼きの黄身の部分を軟らかいまま出すもので、したがって白身ですら半調理にしかなってません。典型的なアメリカの卵の食べ方の一種です。
それより最近では当地の吉牛で全くの生卵を食べるアメリカ人や、我々がすき焼きを食べる時に使う生卵を見て、アメリカ人が真似して食べてるのが現地からの生の現状です(NYっ子さん)
なんだ、半熟卵も生卵も食べてるじゃん。私も遠い遠い昔、米国1カ月長期出張というのを経験したが、ホテルの朝食はいつもサニーサイド・アップにしょうゆであった。半熟とろとろであった。が、牛丼に生卵は未経験。美味いの?
デスク断言 生卵なしで牛丼を食べるとタイホされます。
香港。
うちの娘が小さいとき、小生の母親(彼女の祖母)からお正月に「クリスマスのご馳走は何を食べたの?」と聞かれたときに大きな声で「卵かけごはん」と言い、女房があわてていたのを思い出しました。女房の名誉のために言いますが、このとき彼女は風邪を引き寝込んでいる上に、小生が出張だったのでやむを得ずのことでした(香港のすっぱいワンタンメンさん)
香港の人々にとって生卵は納豆以上にだめだめ君な食べ物であるそうだ。どうしてだろう。美味いもんなのにねえ。日本人に生まれてよかったなあ。
タイ。
が…バカ高くて6個入り1パックで約900円もします。もったいなくて食べられず、そのうち生で食べられる賞味期限が切れてもっともったいない状態になります。
マヨネーズもタイ産○ピーマヨネーズは、味がぼやけてまずいので輸入○ピーマヨネーズを買うのですが、ノーマルので550円くらいします。SALEでもやっと360円くらいなのでSALE時にいっぱい買います。でももったいなくてあまり使わず酸化してしまいます。それでも悔しいので食べます。お腹は今のところ大丈夫!!(タイ在住のyumekoさん)
毎度のことながら、外国在住の皆さんが日本の味覚を手に入れるために涙ぐましい努力をしておられる姿が目に浮かぶ。
豪州。
会社(オーストラリア人・ヨーロッパ系・アジア系といろんな国の人がそろっています)で「生卵を食べるか」の話で盛り上がったところ「フレッシュでないので食中毒が怖い」「あの食感が嫌い」「生で食べるなんて野蛮!」というコメント続出で生卵を食べる、しかも生卵が飲めると答えたのは日本人の私だけでした。
こちらでは日本食のテイクアウトのお店も人気があり多いのですが、「親子丼」「卵丼」いずれも上にのっている卵は半熟ではなくきっちり火が通っていて、まるでスクランブルエッグと卵焼きの中間のようです。当然すき焼きを日本料理店で頼んでも生卵はつきません(きんさん)
突然だが、私は卵かけご飯と同じくらいキムチご飯が好きである。キムチ単体では肉体に急激な変化が起きるが、白いご飯と一緒だといいのである。それも辛みが少なくてアミやナシや松の実なんかが入っているやつが好き。ちょっと甘みがあるキムチは大好き。
某所で飲んだ折、メニュー外でたまごかけご飯を食べさせてくれるというので注文した。メニューを見るとキムチがあった。そこでたまごとキムチの両方で炊きたてのご飯を食べようと思ったのである。
デスクにやり やっぱ赤いのは「恋人」でしょ?
で、これが本題の流れと何か関係があるかというのと、全然ないのである。ごめん。
外国勢のメールはまだ続く。次は生食関連。
話は変わりますが、ドイツ人は豚を生で食べます!ミンチされた豚肉に塩とコショウを混ぜたらしき物体が腸詰になったものをナイフでぷちっと破ってパンやクラッカーに塗って食べます。
最初にテーブル上に発見したときは「われわれ日本人は生で豚肉を絶対食べません!」と断ったのですが、ドイツ人に「なんで? 刺身を食べてるじゃん。これはドイツの刺身だよ」とあっさり一笑され、チャレンジ。レバーペーストほど臭くないし、くどくないし、サラミのような味わいで美味しかったですよ~!(apple-aさん)
うーん、すき焼きの卵かき混ぜるかき混ぜない問題か。私は躊躇なくかき混ぜる。そのようにするもんだと親に教えられたので、かき混ぜない行動については想像もしていなかった。立ち食いそばの生卵もかき混ぜる党だし、カレーを作っているときも途中でしょっちゅうかき混ぜてジャガイモを煮崩してしまうし、私って結構かき混ぜ系かも。
ベティー隊員 確かにせっかちなところがある。
人間関係だけはかき混ぜないように気をつけなくっちゃ。
デスクぎくっ えっ、あっ、すいません。
うーん、生の豚肉かあ。以上。
ただ、生の牛肉即ちタルタルステーキは隣国ドイツのデュッセルドルフにあるビアホールのメニューにありました。試しに頼んでみましたが、まさしくユッケを食べているようで美味しかったです。ただし翌日はお腹が痛くなりました(アングラさん)
ドイツ人生肉食べる説が補強された。ヨーロッパでもドイツの食文化は特異なのか? いや違うらしい。
おっと、ドイツと地続きのポーランドは卵、牛肉とも生。しかもユッケ。そうなんだあ。米国人とは対照的。
デスク真顔で っていうか、ポーランドは時代によって国境が大きく変わりますよね。ドイツとソ連の大国の力関係で右に左に大きく動いていますよね。もしかして、食文化も時代に翻弄されたのかなぁ――。
野瀬 どうしたの、急にムズカシイこと言って。
デスクアホ面で たまにはムズカシイこと言わないとただの大食漢で終わってしまうので。それじゃあ、見合いの話も来ないでしょ?
アメリカ人の方がウエルダンを好まれるのは、サルモネラと同じく寄生虫を恐れてのことだと考えています。ただ不思議なことにヨーロッパの方は、結構レアとかお好きですね(肉屋の店長さん)
やはりヨーロッパ系は日本人に似て、生志向が強いのだろうか。
(特任編集委員 野瀬泰申)
[本稿は2000年11月から2010年3月まで掲載した「食べ物 新日本奇行」を基にしています]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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