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情熱と哀愁の「徳永兄弟」、コンサートホールへ

スペイン直伝、フラメンコギターの新星

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NIKKEI STYLE

「フラメンコ」と聞いて「スペインの民衆音楽」と即座に答えられる日本人は何人いるだろう? 古い世代だと、西郷輝彦が歌った半世紀前(1966年)のヒット曲「星のフラメンコ」(浜口庫之助作詞・作曲)を思い出すかもしれない。だが新潟市でスペイン料理店(バル)とフラメンコギター教室を営む両親の下に育った徳永健太郎(1991年生まれ)、康次郎(93年生まれ)兄弟にとっては、誕生前の胎教段階から水か空気のように自然な音楽として鳴り続けてきた。激しいリズム、情感に富む響きを兼ね備えたパフォーマンスはバルや愛好家たちの枠を超え、クラシック音楽専用のコンサートホールでも、羽ばたこうとしている。

2人とも地元中学を卒業すると東京を経由せず、そのままフラメンコの本場アンダルシア地方最大の都市セビリアに留学した。「両親は英才教育を施さなかったし、自分たちもフラメンコが特別に好きではなかった」(健太郎)が、「本場スペイン人のギターに触れ、大きな衝撃を受けてがぜん、まともに学ぶ気になった」という。

セビリアのクリスティーナ・ヘレン・フラメンコ音楽学院の全課程を前後して修了した後、しばらくは母校の講師をしながらスペイン各地で演奏を続けた。帰国は2015年7月。「最終的にはフラメンコギターの、ソロ楽器としての知名度を上げるのが目標だけど、デュオ(二重奏)の方がインパクトは強い。まずは新潟と東京を本拠と定め、デュオ活動を基本に展開しようと決めた」(康次郎)

デュオには普通、グループ名が必要だ。音楽界では、明治時代の幸田姉妹(姉の延が作曲、ピアノなど。妹の幸がバイオリン)から現代の幸田姉妹(姉の聡子がバイオリン、妹の浩子がソプラノ歌手)に至るまで、姉妹兄弟のユニットが少なからず存在した。21世紀に入ると津軽三味線にも良一郎と健一の吉田兄弟が「イケメン若手奏者」として現れ、旋風を巻き起こした。徳永兄弟には、NHK交響楽団の首席チェロ奏者だった兼一郎(故人)とコンサートマスターだった二男の「先代」が存在するが、ジャンルも世代も全く異なると割り切って、フラメンコギターの「徳永兄弟」が誕生した。

実は、フラメンコの世界での日本は「本場スペインに次ぐ大国」(康次郎)だそうだ。「セビリアで2年に1度開かれるフラメンコの世界フェスティバルには日本人が多く詰めかけ、会場アナウンスもスペイン語、英語、日本語で進行する」(健太郎)。問題は「コアな愛好者だけで『フラメンコ業界』が形成され、普通の音楽ファンや30歳以下の若い世代に広がっていかない」構造にある。徳永兄弟は日本での正式デビュー後に教育活動を封印。あくまでフラメンコのオリジナル曲を前面に据えたライブ演奏を通じ、新しい聴き手を一人ずつ獲得していく姿勢に徹してきた。

「どこでも出かけ、演奏する」を貫くうち、スペインでは経験しなかったリクエストが届くようになった。「山田耕筰作曲の『赤とんぼ』をはじめとする日本の歌やディズニー映画の名曲をフラメンコギターのスタイルにアレンジして、聴かせてほしい」。最初は面食らったものの、「手がけてみたら、面白かった」(康次郎)といい、「自分たちの好みの押しつけだけでなく、フラメンコの感覚を失わない範囲で、柔軟にレパートリーを広げよう」と考えている。

9月16日には東京・代々木公園のHakuju Hall(ハクジュホール)で昼夜2回、それぞれ1時間の「スーパー・リクライニング・コンサート」に出演する。座席数300、ふだんはクラシックの室内楽などに適した残響豊かな演奏会場である。「全くPA(音響補助)を交えないナマ音の会場は初めて。音を出してみたら、今までの迫力重視の弾き方に合う曲と合わない曲があった。僕たち2人だけでどこまで、『ザ・フラメンコ』の世界をお届けできるのか? またしても新たな展開なので、練りに練った選曲で臨みたい」(健太郎)と、若者ならではの熱い精神を奮い立たせている。

(池田卓夫)

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