寝言グセがあり友達と旅する勇気が出ません

仲良しの女友達から旅行に誘われているのに、寝言が恥ずかしくて行く勇気が出ません。私は明るいマジメちゃんで気を使うタチ、甘え下手。友達と会うと目いっぱいはしゃぐので夕方には体力尽きてグッタリ、お酒にも弱く夜10時半には眠くなってしまいます。

実にチャーミングなお悩み、ありがとうございます。質問者さんはきっと真剣に悩んでらっしゃるのでしょうが、ご本人がダメな部分として書き連ねておられることが、私にはいちいち魅力に思えて仕方ありません。「明るいマジメちゃんで(中略)甘え下手」なんて、いとおしくなります(笑)。万が一これがウソでも、こういうキャラクターを作り出せるということは、フィクションを書く才能があるのかもしれませんよ。

書く、ってすごいですね。自分のことも他人のこともよくわかる。で、思ったのですが、質問者さんが気にされているお悩みのエッセンス、超恥ずかしい寝言、って例えば具体的にどういうことなのか、それを言ってしまったら自分は何がどう困るのか、一つ一つ思いつくまま書きだしてみたらどうでしょう。

どんなお悩みにも通じることですが、自分で書いた問題を少し離れた目で見てみると、実に取るに足らないことと気づくことがよくあります。それどころか、このお悩みのように自分が欠点だ失敗だと思っていることが、他人が読むとチャームポイントになっちゃう場合もある。

それに、たとえ多少ネガティブな寝言を言ったとしても、50代で新キャラデビューなんて、なかなかないことですよ(笑)。人としてちょっと彫りが深くなるような気がしませんか？

あと、もう一つイチかバチかの案を思いついたのですが聞いてもらえますか。旅行の前に「私は確実に寝言を言います」と宣言してしまうのです。さらにお友達の期待をあおるように「私の寝言ときたらかなりキテレツで面白い」とか「どうも予言の要素があるらしい」とか散々盛って。質問者さんは「言うぞ、今夜こそ言い放つぞ」と念じて夜10時半に寝てください。

人間、期待が大きいほど普段できることができなくなるものです。何もなければ、がっかりされるけれど、寝言は聞かれずにすむ。期待通りに寝言を言ったら、それこそ大拍手！　旅のイベントが盛り上がる……はずです(笑)。

それに寝言を言うって、かなり相手におなかを見せた告白です。そんなふうに腹を割られて引くような人は、いらない友達です。旅行は酸いも甘いもちゃんとかみ分けてくれるホントの友達と行きたいですよね。（談）

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［日経プラスワン2016年8月20日付］