スマホ動画のコツは「たくさん撮って」「後から編集」

最近のスマートフォン（スマホ）は、ビデオカメラに迫る高画質な動画を撮影できるようになってきた。動画編では、まず撮影のコツから紹介していこう。

事前に構図をしっかり決める写真と違って、動画はさまざまな視点で撮っておくことがポイントになる。スマホの場合、つい縦向きで構えてしまうことが多いが、後でパソコンやテレビで見ることを考えれば、「横位置」で撮るのが基本。高い建物や広大な風景などは、カメラを上下左右に動かして撮影しよう。ただし、スマホを頻繁に動かすと、映像がぶれて見づらくなるので、ほどほどを心がけるようにしたい。

続いては解像度の選択だ。最近は「4K」動画が撮影できるスマホも登場している。とはいえ、解像度に比例して容量も増えてしまう。一般的なパソコンやテレビで見るなら、「フルHD（1080p）」程度あれば十分だろう。

動画は必要なシーンだけを撮るのは難しい。SNSなどでほかの人にも見せたいなら、編集の必要がある。動画の編集はハードルが高そうだが、スマホなら簡単だ。無料アプリを使って、カットや結合、明るさの調整といった編集が手軽にできる。後のことは気にせず、思う存分に撮影しておこう。下の図の小ワザも覚えておけば万全だ。

ただ撮っただけの動画は、不要なシーンが写っていたり、肝心の見せ場が暗かったりする。目的に応じてアプリを使い分ければ、カットや結合、明るさの補正で完成度を高めたり、BGMや文字を入れて楽しんだりできる。

夢中で撮影していると動画は長くなりがちだ。後から見返して、どのシーンが見せ場なのかわかりにくいケースもよくある。そこで不要な部分はカットしよう。カットした後で複数の動画をつなげ合わせることも可能だ。再生時間を調整すれば、SNSや動画投稿サービスにアップロードするときにも役立つ。例えば「インスタグラム」は15秒（60秒に順次移行）、「ツイッター」は30秒とアップロード可能な動画の長さに制限があるので、この時間内に収まるように編集しよう。

動画編集に便利なアプリは「アドビプレミアクリップ（Adobe Premiere Clip）」だ。プレビューを見ながら、スライド操作などで編集できるので、動画編集の経験がなくても操作に迷うことは少ないだろう。アプリに動画を読み込み、「カスタム編集」を選べば、カットや明るさの調整などが自由にできる。

動画の前後をカットする場合は、下の図のようにして残す範囲を指定しよう。

中間部分が不要な場合は、必要なシーンを1度分割してからカットすればOKだ。

明るすぎたり、暗すぎたりする場合は、「露光量」や「ハイライト」などを調整する。複数の動画をつなぎ合わせたいときは、各動画を同様に調整しておこう。

必要に応じて動画の順番を入れ替えたり、アプリ付属のBGMを追加したりしてから保存する。端末内にある元の動画はそのまま残るので、安心して編集できる。

ちなみに、編集を始めるところで「カスタム編集」の代わりに「自動」を選択すると、アプリが自動編集して見栄え良く仕上げてくれる。出来上がった動画を基に「カスタム編集」で調整する方法も、手間がかからずお勧めだ。

（ライター　越智理奈）

［日経PC21 2016年6月号の記事を再構成］