店選びや配車もお任せ 忘年会支援アプリで名幹事
「大人数が集まる飲み会のお店予約に便利だ」。東京都内のIT(情報技術)企業に勤務する男性(25)が活用するのがリクルートライフスタイルの「スマート幹事くん」。飲食店の立地エリアや希望日時、1人当たりの予算を打ち込むと、同社の飲食店サイト「ホットペッパーグルメ」に登録された約2万店のうち条件を満たす店から営業メールが届くシステムだ。
利用法は簡単だ。忘年会や同窓会といった利用目的などを選択肢から選び、「個室にしてほしい」「飲み放題をつけてほしい」といった個別のリクエストを打ち込むだけ。同社は「幹事が1軒ずつ電話する手間がなくなる」とアピールする。急に幹事を任されたときに頼りになるアプリだろう。「割り勘計算機能」も備えている。
2次会のお店まで
2次会のお店まで決めていなかった――。1次会で盛り上がり、さあ次だ、となったときの店探しに便利なのがダイヤモンドダイニングのアプリ「即飲み」だ。スマホの画面の地図上で現在地を指定すると、営業中の周辺店舗の位置が地図に現れる。そのうち5つまで選択し、名前、電話番号、到着時間などを入力する。2分ほど待てば、空席がある店舗から幹事に電話がかかってくる仕組みだ。
同社は「大人数でもあまりまつことなく店を予約できる」と強調する。首都圏、関西の同社グループの約200店舗のレストランや居酒屋の情報を提供しており、予約が成立すれば店までの道筋を画面で通知している。
楽しい忘年会で「気づいたら終電を逃してしまった」という経験がある人も多いだろう。大人数ではタクシーを呼ぶのにも一苦労だ。タクシー配車アプリも複数あるが、タクシー大手の日本交通の「全国タクシー配車」は地方のタクシー会社とも提携し、全国約2万2千台のタクシーで利用できる。
配車を申し込むと、タクシー会社に配車依頼が送信される。タクシー会社はスマホの全地球測位システム(GPS)を基に利用者の現在地を確認し、近くを走る車両を利用者に送り込むシステムだ。目的地までの概算料金を検索する機能も利用者に好評という。
翌日からは運動?
楽しく飲んで食べたあとは気になるのは体調管理。体調管理のアプリは多いが、ここではカロリー計算アプリを紹介しよう。エイチームの「楽々カロリー管理」は、毎食後に食べたものを記録するだけで1日の合計摂取カロリーを計算してくれる。外食メニューやコンビニの商品など6万件以上の食品データから選べる。忘年会で口にしたものが摂取目安のカロリーを超えていたら、翌日から運動など節制を心がけるきっかけになるかもしれない。
上場企業の業績改善やボーナスが増えた影響で、今年の忘年会は例年より少しは派手になるかもしれない。スムーズな店選びや帰宅の足の手配は幹事の腕の見せどころ。サラリーマンは「できる幹事」といわれれば、社内の評価が上がる場合もある。アプリを武器に名幹事を目指してみてはいかがだろう。
(証券部 阿部真也)
[日本経済新聞夕刊2014年12月11日付]
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