水も一緒に飲もう、二日酔いの原因と対処法
カラダのお悩み何でも診療所(11)
年末年始、お酒を飲む機会が増えるので、二日酔いが心配です。二日酔いの予防法と対処法を教えてください。(31歳・小売り・営業)
楽しくてつい飲み過ぎ、二日酔いで後悔した経験がある人も少なくないでしょう。年末年始は飲み会の多い時期ですから、翌日にお酒が残らないよう気を付けたいですね。
アルコールは、少量であればストレスなどで収縮した血管を拡張して、リラックスさせたり、気分を高揚させたりしますが、摂取しすぎると分解処理が追い付かず、二日酔いの原因になってしまいます。
胃や腸で吸収されたアルコールは、肝臓でアセトアルデヒドという毒性の強い成分に代謝されます。その後、酵素によって分解されますが、分解能力を超えた量を飲んでしまうと有毒成分がそのまま体内をめぐり、脳や内臓にダメージを与えて頭痛や吐き気を起こすのです。このダメージが翌日まで残った状態が二日酔いです。
アルコールには利尿作用があるため、体の水分の排出を促進して倦怠感を生む原因にもなります。
二日酔いの症状を軽減するためには、何よりも水を飲むことが効果的。水はアルコール濃度を薄めて肝臓の負担を減らすだけでなく、脱水症状を和らげます。アセトアルデヒドは、尿からも排出されるので、水分摂取が有効なのです。
お酒を飲みすぎたときは、水やスポーツドリンクなどで水分を補給しましょう。飲み過ぎで病院に来た患者さんにも、水分やミネラル補給の点滴で利尿を促すようにしています。
一般的に、二日酔いにはウコンなどがいいと言われ、効果が認められることがありますが、個人差があるので、頼り過ぎないようにしてください。
また、飲むときには、食事やおつまみも一緒に食べましょう。飲み過ぎを防いだり、アルコールの血中濃度を下げたりするのに役立ちます。
アルコールは肝臓で毒性の強いアセトアルデヒドに代謝、さらにアセトアルデヒド脱水酵素(ALDH)によって分解され、最終的に酢酸と水になる。
ALDHの分解力には個人差があり、遺伝によって強弱が分かれる。分解されないアセトアルデヒドが翌日も体内をめぐり、吐き気や頭痛などを起こすのが二日酔い。防止にはこの有毒成分の排出が鍵となる。
この人に聞きました
東海大学医学部内科准教授。東海大学医学部卒業。同大学医学部内科系大学院修了。米国サウスカロライナ州立医科大学での研究を経て、現職。著書に『見た目が若いと長生きする』(筑摩書房)など。
(日経WOMAN 福島哉香)
[日経WOMAN2014年1月号の記事を基に再構成]
健康や暮らしに役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。