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 今、ビジネスパーソンが通ってみたいMBA(経営大学院)はどこか。日本経済新聞社と日経HRは共同で2014年の「ビジネススクール調査」を実施、全国の20~40歳代を中心とするビジネスパーソン2101人の回答を基にランキングした。調査は12年、13年に続き3回目になる。

通ってみたい国内MBA
大学院ランキング(東)

(1)
1597点
慶應義塾大学大学院
経営管理研究科 経営管理専攻

(4)
749点
グロービス経営大学院大学
経営研究科 経営専攻

(3)
729点
一橋大学大学院
商学研究科 経営学修士コース

(2)
702点
早稲田大学大学院
商学研究科 ビジネス専攻

(5)
633点
一橋大学大学院
国際企業戦略研究科 経営・金融専攻

(-)
495点
マサチューセッツ大学
MBAプログラム

(10)
381点
筑波大学大学院
ビジネス科学研究科 経営システム科学専攻

(9)
350点
横浜国立大学大学院
国際社会科学府 経営学専攻博士課程前期(社会人専修コース)

(7)
277点
ビジネス・ブレークスルー大学大学院
経営学研究科 経営管理専攻/グローバリゼーション専攻
10
(6)
264点
青山学院大学専門職大学院
国際マネジメント研究科 国際マネジメント専攻
11
(8)
241点
中央大学大学院
戦略経営研究科 MBAプログラム(専門職学位課程)
12
(11)
215点
英国国立オープン・ユニバーシティ
MBAプログラム
13
(22)
185点
筑波大学大学院
システム情報工学研究科 経営・政策科学専攻
14
(14)
182点
首都大学東京大学院
社会科学研究科 博士前期課程 経営学専攻
15
(20)
177点
SBI大学院大学
経営管理研究科 アントレプレナー専攻
16
(13)
169点
産業能率大学大学院
総合マネジメント研究科
17
(19)
135点
小樽商科大学大学院
商学研究科 アントレプレナーシップ専攻(専門職大学院)
18
(12)
127点
明治大学専門職大学院
グローバル・ビジネス研究科 グローバル・ビジネス専攻
19
(17)
125点
南山大学大学院
ビジネス研究科 ビジネス専攻
20
(16)
120点
金沢工業大学大学院
ビジネスアーキテクト専攻
(注)大学院名の左の数字は順位、カッコ内は前年順位。「-」は順位なし

ビジネスパーソンを対象に、通ってみたい国内の大学院(経営学修士〔MBA〕または類するプログラム)を聞いた。1位は東日本が慶應義塾大学大学院経営管理研究科(1597点)、西日本が京都大学大学院経営管理教育部(1348点)だった。どちらも、「ビジネススクール調査」では3年連続の首位だ。

慶應大は、国内初の2年制の大学院MBAコースとして歴史があり、知名度がある。企業から高く評価されていることも選んだ理由に挙がっている。京都大は、歴史は浅いものの、大学の知名度の高さが影響しているようだ。

東日本の2位から5位には新興校と有力校が僅差で並んだ。グロービス経営大学院大学経営研究科(749点)、一橋大学大学院商学研究科(729点)、早稲田大学大学院商学研究科(702点)、一橋大学大学院国際企業戦略研究科(633点)という順だ。

グロービス大は西日本でも大阪校が3位(480点)に食い込む健闘を見せた。「社会人のための大学院」を標榜するように、選択理由にも仕事と両立しやすいカリキュラムがあることが挙げられている。さらに通学経験者の評価から認知度が高まってきたと推測される。2位には神戸大学大学院経営学研究科(904点)が入り、4位、5位には同志社大学大学院ビジネス研究科(467点)、九州大学大学院経済学府産業マネジメント専攻(430点)が僅差でグロービス大に続いた。

通ってみたい国内MBA
大学院ランキング(西)

(1)
1348点
京都大学大学院
経営管理教育部 経営管理専攻

(2)
904点
神戸大学大学院
経営学研究科 専門職学位課程 現代経営学専攻

(4)
480点
グロービス経営大学院大学
経営研究科 経営専攻(大阪校)

(3)
467点
同志社大学大学院
ビジネス研究科 ビジネス専攻

(5)
430点
九州大学大学院
経済学府 産業マネジメント専攻

(8)
382点
立命館大学大学院
経営管理研究科 経営管理専攻(専門職大学院)

(6)
303点
関西学院大学専門職大学院
経営戦略研究科 経営戦略専攻

(7)
297点
立命館アジア太平洋大学大学院
経営管理研究科 経営管理専攻(MBA)

(9)
266点
大阪府立大学大学院
経済学研究科 経営学専攻
10
(11)
158点
大阪経済大学大学院
経営学研究科 経営学専攻
(注)大学院名の左の数字は順位、カッコ内は前年順位

選んだ理由 「知名度」以外に分散

大学院を選んだ理由の中では、「知名度」を挙げた回答者が多い。ただし、昨年までの調査では知名度が圧倒的に高かったのに対して、今年は分散している。10位以内で知名度が最も高い理由として挙がったのは、東日本で3校、西日本で4校だった。教授・講師陣のよさ、通学経験者の評判、仕事と両立できるカリキュラムなど、それぞれの大学院の特徴もしっかりと判断材料になっているようだ。

理由別ランキングには、ビジネスパーソンがどういう点で大学院を評価しているかが表れている。まず、働きながら大学院に通うビジネスパーソンにとっては、仕事との両立しやすさが必須条件だろう。「仕事と両立できる開講時間のカリキュラム」では、東西ともにグロービス経営大学院大学の回答比率が高かった。平日夜間と土日の開講で、仕事に合わせて通学曜日や回数を組み立てられる。また、転勤の場合も全国に5つあるキャンパスを利用できるなど、通学しやすい工夫をしている。

「カリキュラムの充実」の上位はビジネス・ブレークスルー大学大学院、グロービス大など。「国際的評価」では、マサチューセッツ大学MBAプログラムなど海外の大学院が上位に挙がる。そのなかで、西日本の立命館アジア太平洋大学大学院のMBAコースは講義をすべて英語で行うなどの特徴で知られている。

職務に直結する分野を学び生かしたいという意識が高い

調査では、ビジネスパーソンにこれからどんな分野を学びたいかも合わせて聞いた。最も多かったのがマーケティング(35.3%)だ。続いて組織運営(27.2%)、リーダーシップ(25.0%)と続いた。さらに内容を詳しく聞くと、新事業創造が26.4%でトップ。ビッグデータ分析・活用(20.3%)、統計学(19.2%)、グローバルビジネス(19.1%)も上位に挙がった。ビッグデータの活用は、これからまさに盛んになる事業フィールドだ。

MBAを受講したい理由では、「職務上必要な知識・スキルや経営に関する理論を学びたい」が全体の70%近くを占めた。学びたい分野の回答を考慮すると、MBAに関心のあるビジネスパーソンは、マーケティングや組織運営、リーダーシップなどが仕事に求められていると考え、それらの実用的なスキルを身に付けて仕事に生かしたいという姿勢が伺える。一方、「人脈構築」(31.0%)、「転職を有利に」(18.4%)という回答もあった。

MBAを取得すると社内評価がアップ約4割

ビジネススクールに通いMBAを取得すると、仕事にどう影響するかは気になるところだ。MBA受講経験者(現在通っている人も含む)に通ってからの変化を聞いたところ、「社内評価が上がった」という回答が38.3%に上った。マーケティング、組織運営、リーダーシップなどを実践的に学ぶMBAは、社内で一定の評価を得るようだ。

一方、「昇進・昇格をした」と回答したのは34.3%、「希望部署への異動が叶った」のは 24.8%、「管理職への登用」は19.0%だった。

MBAを受けてみたい理由で「職務上必要な知識・スキルを学びたい」が1位に挙がっていたように、まず現状の仕事に学んだ知識を生かすことが実質的だろう。また、新しいことを学ぼうとする前向きな姿勢が、仕事の面でプラスに働くこともある。その上で、MBAが昇進・昇格や部署異動にもある一定の効果をもたらしているといえそうだ。

MBAは市場価値を高めビジネスシーンで有利に働くことも

MBAを受講したい理由では「市場価値を上げて転職を有利にしたい」という回答が18.4%を占める。MBA取得は、給料アップや転職に影響があるのだろうか。

ビジネススクールに通ってから社内で昇給したと答えたのは 32.1%。回答者に任意で昇給金額を聞いたところ、最も多かった回答は100万円(年額)、平均は140万円だった。昇給の原因がビジネススクールによるものかどうかここでは検証できないが、昇給した人の場合、かなりアップするといえそうだ。また転職を果たしたと回答したのは21.5%だ。「検討中」も 23.7%に上った。

MBAの知識を社内の仕事に生かすか、転職につなげるかは個々の目的によるが、概して、取得することで自身の市場価値を高め、転職にも意欲的に働くようだ。

調査の方法
 日本経済新聞社と日経HRによる共同調査。インターネットによるアンケート方式で実施した。対象は全国の20~40代を中心とするビジネスパーソン。調査期間は2014年6月2日~6日。回答者数は2101人。ランキングの集計方法は、経営学を中心としたMBAコース(または類するコース)を持つ国内の大学院(東日本と西日本64校・研究科)で、最も通ってみたい大学院を1位とし、最大3位(3校)まで選択してもらい、1位を3点、2位を2点、3位を1点として集計した。
 調査結果の詳細は、7月3日発行の「日経キャリアマガジン」(日経HR)でも紹介しています。

[日経Bizアカデミー2014年7月1日付]

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