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仕事で使える資格は何か~資格ランキング2014 満足度高い「英検1級」、役立ち度は専門性、人気は汎用性高い資格

2014/1/7

 本当に「仕事で使える」資格・スキルは何か。日本経済新聞と日経キャリアマガジンは、2013年10~11月に共同でビジネスパーソンへのアンケート調査を行った。その結果から「取得している資格の満足度」「取得して役立っている資格」「今後取得したい資格」など、さまざまな角度からランキングを作成。今後のスキルアップやキャリアアップ、就転職に向けて取得を目指す人は、資格選びの参考にしてほしい。
【満足度ランキング(総合)】
順位資格名合計
1英検(実用英語技能検定)1級14.64点
2個人情報保護士14.10点
3漢語水平考試(HSK)13.82点
4技術士13.54点
5公認会計士13.50点
6日商簿記検定2級13.37点
7メンタルヘルス・マネジメント
検定II種(ラインケアコース)
13.21点
8衛生管理者13.16点
8ITパスポート13.16点
10マイクロソフト認定13.15点
11社会保険労務士13.10点
12ネットワークスペシャリスト13.05点
13一種外務員13.03点
14秘書技能検定2級13.00点
15ビジネス実務法務検定2級12.94点
15ビジネス・キャリア検定12.94点
17TOEICテスト12.90点
18宅地建物取引主任者12.88点
19日商簿記検定3級12.78点
20応用情報技術者12.75点

難易度だけではない実感に近いランキングに

 現在、有効に活用できている資格は何か。満足度ランキングは、保有している資格の中から最大2つを選び、「費用」「時間・手間」「活用度」「将来性」をそれぞれ5点満点で採点、4カテゴリーの合計から算出した。

 例えば、資格取得までに5万円かかったとして、その価格が高いと感じるか、安いと感じるかは、人によって異なる。「費用」は取得に際してかかった参考書代、スクールや通信教育の学費、受験料といったコストが見合うものだったかを測る「費用対効果」。同様に「時間・手間」は「時間・手間対効果」と言い換えることができる。「活用度」は、資格取得で身に付けたスキルをどれだけ役立てているか、「将来性」は、知識が今後のビジネスシーンでどのくらい役立つかの見通しを表す。

 このように、採点に回答者の主観がある程度介在するため、難易度だけでは測れない、より実感に近いランキングとなった。

【お役立ち資格ランキング(総合)】
順位資格名合計
1公認会計士100%
 
1米国公認会計士(USCPA)100%
 
3中小企業診断士96.6%
 
4プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル(PMP)96.0%
 
5技術士91.7%
 
6CFP®90.9%
 
7公認内部監査人(CIA)90.0%
 
8TOEFLテスト82.0%
 
9一級建築士76.9%
 
10TOEICテスト(Aレベル、860点以上)76.7%
 
10ネットワークスペシャリスト76.7%
 

1位英検、3位HSK、語学が3位以内に2つ

 ランキングの合計点を見ると、4位以下は均衡しているのに比べ、3位までは少し差がついている。語学関連の検定が1位と3位になったのも、今回のランキングの大きな特徴といえる。

 1位は「英検(実用英語技能検定)1級」の14.64点。今回、カテゴリーごとの点数が4点を超えるものが少数だった中、3カテゴリーで3.80点以上と高得点で安定。スタートから50年という英検の長い伝統が反映される結果となった。

 2位の「個人情報保護士」は、2005年の個人情報保護法施行に合わせてスタートした民間資格。施行から9年、さまざまなシーンで、この法律の知識が必要とされていることが分かる。3位の「漢語水平考試(HSK)」は、中国語を母国語としない人を対象とする中国政府公認の資格。国際的な認知度が高いため、留学や実際のビジネスシーンで、中国語力を証明する基準となっている。「将来性」の高さが上位にランクインする要因となった。

 4位以下を見てみよう。「技術士」「公認会計士」「社会保険労務士」といった難関国家資格が、「将来性」が高得点であるほか、公認会計士の「活用度」は、今回の調査で最高得点となった。

【今後取得したい資格ランキング(総合)】
順位資格名取得したい資格
1TOEICテスト
(Aレベル、860点以上)
21.6%
 
2TOEICテスト
(Bレベル、730~860点未満)
20.4%
 
3中小企業診断士15.7%
 
4TOEICテスト
(Cレベル、470~730点未満)
11.9%
 
5日商簿記検定2級10.6%
 
6宅地建物取引主任者8.1%
 
7社会保険労務士7.8%
 
8日商簿記検定3級7.7%
 
9ファイナンシャル・プランニング(FP)技能検定3級6.7%
 
10TOEFLテスト6.6%
 
11行政書士6.0%
 
12ファイナンシャル・プランニング(FP)技能検定2級5.9%
 
13中国語検定5.4%
 
14マイクロソフト認定4.6%
 
15日商簿記検定1級4.1%
 
16プロジェクトマネージャ3.6%
 
17証券アナリスト(CMA)3.5%
 
18ビジネス実務法務検定2級3.4%
 
19英検(実用英語技能検定)1級3.3%
 
20技術士3.2%
 
20通関士3.2%
 
【今後取得したい資格ランキング(業種別)】
順位資格名取得したい資格
情報処理、SI、ソフトウエア
1TOEICテスト
(Bレベル、730~860点未満)
21.4%
 
2TOEICテスト
(Aレベル、860点以上)
18.5%
 
3TOEICテスト
(Cレベル、470~730点未満)
12.7%
 
4日商簿記検定2級11.6%
 
5中小企業診断士11.0%
 
5プロジェクトマネージャ11.0%
 
金融、証券・保険
1TOEICテスト
(Aレベル、860点以上)
15.5%
 
2証券アナリスト(CMA)14.2%
 
2宅地建物取引主任者14.2%
 
2TOEICテスト
(Bレベル、730~860点未満)
14.2%
 
5CFP8.1%
 
5ファイナンシャル・プランニング(FP)技能検定2級8.1%
 
電気、電子機器
1TOEICテスト
(Bレベル、730~860点未満)
24.8%
 
2TOEICテスト
(Cレベル、470~730点未満)
17.4%
 
3中小企業診断士15.7%
 
3TOEICテスト
(Aレベル、860点以上)
15.7%
 
5中国語検定8.3%
 
卸売・小売業・商業(商社含む)
1中小企業診断士16.2%
 
2日商簿記検定2級15.3%
 
3TOEICテスト
(Aレベル、860点以上)
13.5%
 
4TOEICテスト
(Bレベル、730~860点未満)
12.6%
 
4中国語検定12.6%
 

上位7資格がお役立ち度90%以上

 保有している資格のうち、仕事に役立っていると考える資格を聞いたところ、「公認会計士」と「米国公認会計士(US CPA)」の日米の会計系資格が100%で1位となった。

 このランキングは、仕事に役立っていると考える資格が「ある」と回答した人に、資格名を挙げてもらい集計。それぞれの資格は業務上必要なために取得したものを「業務上」、業務に役立てられると考えて自主的に取得したものを「自主的」と区別して選んでもらい、その割合の合計とした。

 1位の公認会計士は、監査業務が“資格を持っていないと、その業務ができない”独占業務であることから、「業務上」の割合が75.0%と高めであり、「自主的」も含めて保有者全員が役に立っていると答えた。同じく1位のUS CPAは、海外資格でもあり国内の独占業務はないが、保有者全員が役に立っていると答えた。

 3位以下を見ると、いずれも専門性の高い資格が並ぶ。3位「中小企業診断士」、4位「プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル(PMP)」、語学系の8位「TOEFLテスト」、10位「TOEICテスト(Aレベル、860点以上)」は、汎用性の高さも上位に入った要因と考えられる。

 5位「技術士」、6位「CFP」、7位「公認内部監査人(CIA)」などはスペシャリストの資格。7位までが90%を超える高ポイントとなった。大まかな傾向を掴めば取得プランも見えてくる

 次に、「学習期間(取得にかかった期間)」「費用(取得までにかかった費用)」「勉強方法」「工夫(勉強で工夫したこと)」の4項目について選択式で調査。ランキングの中から「業務上」の割合が高い公認会計士、「自主的」の割合が高い中小企業診断士、バランス型のPMPについて、その割合を集計した。

 項目ごとに比較すると、「学習期間」では公認会計士は「2年~3年以内」が半数以上、残りの半数弱も「1年~2年以内」と中長期プランであるのに対して、PMPは「半年以内」が過半数を占めた。中小企業診断士は「半年~1年以内」がやや多いものの、3年以上のスパンで臨んだ人も3割近くに及ぶなど、違いが明確に表れた。

 自分に必要なスキルを得るには、どのような作戦で臨むか。資格ごとの傾向をつかんでおくと、取得プランも立てやすくなる。

エントリーレベルが並ぶ中、難関資格もランクイン

 「今後取得したい資格」総合ランキングは、「TOEICテスト(Aレベル、860点以上)」が1位、「TOEICテスト(Bレベル、730~859点)」が2位。ともに20%以上の人が取得したいと考えている。「TOEICテスト(Cレベル、470~729点)」も4位と、英語への関心は非常に高い。

 調査は「現在、新たに取得を目指して勉強をしたい、またはすでに勉強を始めている資格はあるか」という質問に対して、「はい」と答えた人に資格を挙げてもらった。「はい」と答えたのは全体の78.5%。その中で、挙げられた資格の割合の高い順にランキングを作成した。

 総合ランキングを見ると、スペシャリスト資格というよりは、ビジネスパーソンの基礎知識を高める資格の多さが特徴的だ。会計系の「日商簿記検定」は2級が5位、3級が8位に入ったほか、不動産業界の国家資格でありながら、民法を学べるため毎年およそ20万人の受験者数となる「宅地建物取引主任者」が6位となった。また、個人の人生設計を貯蓄や投資などから組み立てる「ファイナンシャル・プランニング(FP)技能検定」が9位に3級、12位に2級がランクインした。

 一方で、3位「中小企業診断士」、7位「社会保険労務士」、11位「行政書士」と、難関国家資格もランクイン。15位以下にも、16位「プロジェクトマネージャ」、17位「証券アナリスト(CMA)」、20位に「技術士」と「通関士」と、スペシャリスト資格が並んだ。

総務・人事部門では社労士がトップに

 「取得したい資格」を業界・職種別に集計し、回答数が多かった4業界、4職種をピックアップした。いずれもTOEICテストが上位に入り、グローバル社会における英語力強化への関心の高さがうかがえる結果となった。

 その中で、「卸売・小売業・商業(商社含む)」業界は、1位が中小企業診断士、2位が日商簿記2級。「総務・人事」部門では、社労士が2位以下に大差をつけて1位。中小企業診断士もTOEICテストと並ぶ2位になった。IT関連の「情報処理、SI、ソフトウェア」業界、「情報処理・情報システム」部門ではプロジェクトマネージャがランクインした。

調査の概要
●調査方法/日経キャリアマガジンと日本経済新聞、仕事力を鍛えるサイト「日経Bizアカデミー」が共同で行った。「ビジネス系資格・スキル調査」をもとに作成。調査は20~40歳代のビジネスパーソンを対象に、インターネットによる選択式、記述式混合のアンケート方式で実施した。
●調査期間/2013年10月29日~11月11日
●回答者数/1355人

[日経Bizアカデミー2014年1月7日付]

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