「うようよいる」を英語で言うと?
more ~ than you can shake a stick at
There are more snakes in that bush than you can shake a stick at.
(その茂みにはヘビがうようよいる)
Vocab Aid:
bush(茂み、やぶ)
「数えきれないほどたくさんの~」がmore ~ than you can shake a stick atが意味するところです。この基本の意味さえはずさなければ、日本語の方は状況・雰囲気に合わせて「うようよいる」「ごそごそいる/ある」「ゴマンといる/ある」など、もう自由自在。「杖を振れる以上の~」が直訳のこのフレーズが、どうして上記のような意味になるのかは、よく分かっていません。shake a stickはカウボーイや羊飼いが棒の先で牛や羊を勘定することだとか、アメリカ先住民が戦いで斃(たお)れた敵を棒でつついて豪胆さを示す行為がそうだとか、説はいろいろ。仮にそうだとしても、それがなぜ「うようよいる」につながるのか――。これについてはどの辞書もダンマリを決め込んでいます。
How to use:
A. What are you complaining about? Is anything wrong with this paper?
B. There are more typos in it than you can shake a stick at.
A. 何をブツブツ言ってるの?この書類、何か問題でもあるの?
B. タイプミスがゴマンとあるんだよ。
Further Study:
どうせshake a stick atについての説がどれもアテにならないのなら、不肖当コラムとしてはアメリカ先住民が「豪胆さを示すために棒でつつく」説に与(く)みしたい。そうすれば、このフレーズを使ったもうひとつの慣用句not worth shaking a stick at (棒でつつくほどの値打ちもない)の説明がうまくいくからです。「つついたところで豪胆さの証明にならない小ものの(敵兵)」――。こう解釈すると、このイディオムが比喩として「とるに足りない」とか「価値のない」になるワケが簡単に説明できるというわけです。
Forget about it. The plan is not worth shaking a stick at.
(それは、もういい。とるに足りない案だ)
You don't have to give weight to what Jack says. He is not worth shaking a stick at.
(ジャックの言うことに重きを置くことはないわよ。大した人じゃないんだから)
[日経Bizアカデミー2016年1月8日付]