読書の秋、一度は訪ねたい美しい図書館 東西14施設
本を借りたり調べ物をしたり、多くの人が利用する図書館。近年は美しい建物や居心地のよい空間が魅力的な施設が各地に増えている。そこで専門家の協力を得て、一度は訪ねて読書をしたい美しい図書館をランキングした。
名建築の館で広がる世界
上位には名建築や空間設計に特色がある施設、座席やカフェなど利用者への配慮が行き届いた図書館が入った。その書架がずらりと並んだ空間は、どちらも秋の日を読書でのんびり過ごすのにぴったりだ。
慶応義塾大学教授(図書館・情報学)の糸賀雅児さんは「建物だけでなく、蔵書や本の並べ方など職員の仕事にもぜひ注目してほしい」と話す。ランク入りした図書館を訪れれば、職員たちが本に傾ける情熱を感じとれるはず。身近な図書館に改めて足を運ぶきっかけにもなるだろう。
図書館は臨時の休館が少なくない。また大学施設は一般利用に条件を設けることが多い。行く際は事前に確認しよう。館内では大きな音を立てないなどマナーを十分心がけ、読書を楽しんでほしい。
<東日本>
「本のコロセウム」がテーマの空間
学外の人も時間限定ではあるが利用できる。蔵書は学術書を中心に約7万5000冊。半分以上を洋書が占める。
(1)JR和田駅からバス15分(2)なし(3)一般利用は平日9~22時、土日・祝日は9時45分~18時(4)018・886・5907
アーチ多用した建物
ギャラリーなどが併設
丸みで柔らかな印象に
子育て支援センターなどが入る建物にあり「他施設との連携が特徴。本とDVDが一緒に並ぶなど工夫」(常世田良さん)。(1)JR塩尻駅から徒歩8分(2)水曜、最終月曜(3)平日10~20時、土曜9時半~20時(日・祝日は18時まで)(4)0263・53・3365
(1)JR上野駅から徒歩10分(2)月曜、祝日、第3水曜、年末年始など(3)9時半~17時(4)03・3827・2053
(1)JR新潟駅から徒歩約10分(2)第1水曜、第2金曜など(3)月~土曜は10~20時、日・祝日は10~17時(4)025・246・7700
<西日本>
市民の声参考に 広い中庭が魅力
地域住民向けのイベントも充実。「伊万里焼の町らしい登り窯風のお話室は必見」(岡本真さん)。(1)JR伊万里駅から徒歩20分(2)月曜、第4木曜、年末年始など(3)10~18時(金曜は20時まで)(4)0955・23・4646
窓が多く 1年中明るい採光
(1)JR金沢駅からタクシーで約20分(2)祝日を除く水曜など(3)平日は10~19時、土日・祝日は10~17時(4)076・266・2011
赤レンガの外観に迫力
(1)バス停「洲本バスセンター」から徒歩3分(2)月曜、年末年始など(3)10~18時(7.8月は10~19時)(4)0799・22・0712
漫画30万点を所蔵
1904年に住友家の寄付で開館。重要文化財で「中央ホールのステンドグラスが美しい」(三輪さん)。11月末まで臨時休館中。(1)地下鉄淀屋橋駅から徒歩1分(2)日・祝日など(3)平日は9~20時、土曜は9~17時(4)06・6203・0474
(1)JR武雄温泉駅から徒歩15分(2)なし(3)9~21時(4)0954・20・0222
(1)JR鳥取駅からバス10分(2)第2木曜、月末など(3)火~金曜9~19時(11~4月は18時半まで)、土日月・祝日は9~17時(4)0857・26・8155
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表の見方 数字は選者の評価を点数にした。図書館名、所在地(1)最寄り駅(バス停)からのアクセス(2)主な休館日(3)開館時間(4)問い合わせ先
調査の方法 専門家の推薦を基に、約90カ所の図書館を選出。「建築がユニーク」「利用者の視点に立った設計・工夫がある」「思わず行ってみたくなる魅力がある」といった観点から、専門家12人に1~10位まで順位付けして選んでもらった。選者は次の通り(敬称略、五十音順)
猪谷千香(文筆家)▽糸賀雅児(慶応義塾大学教授)▽植松貞夫(跡見学園女子大学教授)▽岡本真(アカデミック・リソース・ガイド社長)▽杯裕二(建築物紹介サイト「ARC STYLE」管理人)▽立野井一恵(「日本の最も美しい図書館」著者)▽NPO法人IRI知的資源イニシアティブ▽常世田良(立命館大学教授)▽三輪浩之(「エクスナレッジ」編集部)▽八代克彦(ものつくり大学教授)▽柳与志夫(東京文化資源会議事務局長)▽渡辺恭伸(ウェブサイト「今日は遠くの図書館」主宰)
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