親子で必見! 専門家お薦めの自由研究、ベスト10
夏休みはまもなく終わり。やり残した宿題に焦る親子は少なくないだろう。とりわけ荷が重いのが自由研究。じっくり取り組んでこその自由研究だが急場をしのぎたい。そこで子ども向けサイトが掲載する小学生向け自由研究の題材から「1~2日ででき、子どもに有意義なもの」を専門家に選んでもらった。
家にある物で科学に興味
1位はミニトマトを砂糖水に浮かす実験。砂糖の濃度を徐々に上げて、浮いてくるミニトマトを味見すると、密度と糖度の関係を実感できる。2位は耐震と制震を学ぶ工作。10傑を見ると、身近なものが何でも科学につながると、よくわかる。
「いきなり自由研究といわれてもよいテーマは浮かばないもの」。科学教育関連の出版社、仮説社(東京・新宿)の川崎浩さんはそう指摘する。本やネットで調べて面白そうだと思ったものをやってみるのも一案だ。ただし「○○に書かれた通りにやった」と明記。うまくいかなかったら、そのことも書いておく。「なぜ失敗したかを書き留めておけば、それでオリジナルの研究になる」(川崎さん)
何より重要なのは親が題材を押しつけないこと。子どもが興味を持ったものに取り組めるよう、サポート役に徹しよう。
簡単なのに理科のエッセンス満載
▼http://cookpad.com/jiyukenkyu/articles/7540
組み方・揺れ…条件変えてオリジナリティ
▼http://site.ngk.co.jp/lab/no175/
みかんの汁で?意外性が魅力
▼http://www.kodomonokagaku.com/summer/2015/experiment01.php
わかりやすくまとめやすい
▼http://www.honda.co.jp/kids/jiyuu-kenkyu/lower/08/
カラーインクで線を書いた紙を水につけると色が分離。様々な色が混じっているのがわかる。「オリジナルの色紙が作れるのも楽しい」(小野寺由貴さん)。<主な用意>水性カラーペン、白のコーヒーフィルター、割り箸、はさみ、コップ、コンパスなど <手順>(1)フィルターを切り細長い帯を作る(2)帯端から2センチの所にカラーペンで線を引く(3)色を付けた方の帯端を水につける(4)線から様々な色が現れるのを観察。ほかの色インクでも試す。
▼http://kids.gakken.co.jp/jiyuu/idea_db/854.html
塩水の濃度を上げていくと、形や大きさの違う野菜や果物の単位体積あたりの重さ(密度)を測れる。「高学年向け。正統派の実験で、解説がわかりやすく、まとめ方のヒントにもなっている」(小林さん)。<主な用意>水に沈む野菜や果物、水槽などの容器、計量カップ・スプーン、計量器、塩(水1リットル当たり200グラム)、水
▼http://site.ngk.co.jp/lab/no208/
ホームセンターで売っているガラスビーズとペットボトルで顕微鏡が作れる。「顕微鏡の自作は珍しく、簡単に作れて観察もできる。昆虫の触角なども観察可能」(小川眞士さん)。<主な用意>無色透明のペットボトル、直径2ミリ程度の透明なガラスビーズ、画びょう、紙ヤスリ、カッターナイフ、はさみ、セロハンテープ、ピンセット
▼http://web.canon.jp/technology/kids/experiment/e_02_07.html
いろいろな果物でゼリーが溶ける様を観察する。「酵素の実験。生や缶詰の果物などで比較したり、温度環境を変えたり、様々な実験になる」(小野寺さん)。
▼http://www.honda.co.jp/kids/jiyuu-kenkyu/middle/01/
卵黄と卵白では固まる温度が違うことを学ぶ。「ゆで時間で味がどう変わるかも研究できそう」(川崎さん)。
▼http://cookpad.com/jiyukenkyu/articles/2144
LEDライトと色セロハンで赤・緑・青の光を作り、混ぜ合わせでいろいろな色を作れることを学ぶ。
▼http://kids.gakken.co.jp/jiyuu/idea_db/892.html
虫眼鏡2つで望遠鏡が作れることを体験でき、作るだけでなく実際に観察もできる。
▼http://oyako.kids.goo.ne.jp/research/make/craft17/
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表の見方 自由研究のタイトル、掲載サイト名/提供企業、順位の後の数字は選者の評価を合計して、点数にしたもの。記事中のリンクは掲載時のものです。
調査の方法 小学生向けに夏休みの自由研究を数多く掲載するサイトに協力を仰ぎ「最後の駆け込みにおすすめの理科系自由研究の題材」を推薦してもらい、9社計50の題材をリスト化。専門家には1社につき3つを上限に10位まで順位を付けてもらった。評価基準は(1)意欲やモチベーションを高めるなど子どもにとっての有意義性(2)条件や素材を変えて独自の研究にできる発展性(3)材料が入手しやすい、サイト説明がわかりやすいなどの3点で、選者は以下の通り(敬称略、五十音順)。
小川眞士(小川理科研究所)▽尾嶋好美(「家族で楽しむおもしろ科学実験=サイエンス・アイ新書」著者)▽小野寺由貴(明光ネットワークジャパン明光義塾本部教務部係長)▽金子由李(オールアバウト「子供とインターネット」「工作・自由研究」ガイド)▽川崎浩(仮説社)▽小林眞理子(中学校理科教員/仮説実験授業研究会/埼玉たのしい科学ネットワーク▽菅亮一(Z会公立中高事業部指導課課長)▽高澤隆一(ウィザス企画戦略部情報企画室室長)▽高橋真生(日本語リテラシーインストラクター)▽露木和男(早稲田大学教育・総合科学学術院教授)▽夏休み自由研究お助け隊実行委員
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