GW、子や孫と行きたい絵本の店 東西20店
まもなく5月の大型連休。幼い子どもや孫とゆっくり休日を過ごすなら、絵本の専門店に足を運んでみてはいかがだろう。品ぞろえが充実し、じっくり本を選べるだけでなく、親子向けのイベントや、食事やお茶を楽しめる店も多い。そこで今週は家族で楽しめる魅力的な絵本の店をランキング化した。
イベントや食も楽しい
上位には古株の絵本専門店が並び、読み聞かせや原画展など独自の企画に力を入れる店がつづいた。
絵本の店には子どもだけでなく、大人も楽しめる本が数多くある。ざっとめくるだけでも美しい絵やデザインが心を刺激してくれる。
乳幼児向けの絵本には児童文学作家、松谷みよ子の「いない いない ばあ」など、親世代が子どものころに親しんだ作品が多い。絵本店は幼いころに楽しんだ思い出を、子や孫に伝える場ともいえるだろう。
「『本が売れない』というけれど」(ポプラ社)など、書店に関する著書があるフリーライターの永江朗さんは「地方にも個性的な店がたくさんある」と話す。本探しやイベントを楽しんでから、自宅でゆっくり家族で絵本と向き合えば、きっと子どもたちの思い出に残る連休になるはずだ。
<東日本>
低い本棚、子どもが本を探せる
子どもを楽しませる売り場の作りも特徴の一つ。「本棚や平台の位置が低く、たくさんの絵本の表紙が見えるように並んでいる。子どもが自分で店内を歩きまわって好きな絵本と出合える」(清水たかこさん)
毎月第2・第4土曜日の午後2時と3時から、おはなし会を実施している。2つあるホールで随時開いている、ナルニア国と連動した展示も見応えがある。5月17日までは画家・佐竹美保の絵本原画展を開催している。
(1)10時~20時(2)03・3563・0730(3)東京メトロ・銀座駅
品ぞろえは4万5000冊
2階はおもちゃ、3階は女性向けの本やコスメ、地下1階にはオーガニックレストランなどがあり、家族で楽しめる。(1)11時~19時、土日祝日は10時半開店(2)03・3406・6308(3)東京メトロ・表参道駅
天井にパステル画が描かれた広いスペースで、ソファに座って本を選べる。洋書絵本が豊富。映写された絵が動く「うごくえほん」も人気だ。
毎月第2.4土曜日のおはなし会など「イベントが充実」(八巻健史さん)。大型連休中は「朗読楽団のおはなし会」(5月2日)、「ことばあそび絵本ライブ」(同3日)、「落語と絵本でまかせてちょんまげ!」(同5日、要予約)などを開く。「いつもワクワクする」(大橋さん)。(1)11時~18時半、水曜(2)03・3261・5691(3)東京メトロ・神保町駅
長新太ら店主が好きな作家の絵本に加え自主流通本が多い。作家オリジナルのピンバッジやポストカードも。(1)11時~20時、木曜(2)0422・23・0868(3)JR吉祥寺駅
「旭川在住の絵本作家、あべ弘士が描いた外壁の絵が迫力」(永江さん)。「和める空間。原画展も面白い」(市川さん)(1)10時~18時半、年末年始(2)0166・25・3169(3)JR旭川駅
明治初めの商家を改造した店は「まるで民話に出てくる家のよう」(永江さん)。(1)10時~19時、水曜(2)022・273・3788
「読み聞かせに定評がある。外国の絵本や玩具も充実」(聞かせ屋。けいたろうさん)(1)10時~19時、不定休(2)0263・36・5053
ティールームで原画を見ながらゆっくり過ごせる。(1)11時~18時、日・月(2)03・5482・7871
木の玩具が豊富。親子で遊べるプレールームがある。イベントも多彩。(1)10時半~18時、月・火(2)054・251・8700
オリジナルの雑貨や文具が豊富。2、3週間おきに展覧会などを開催している。(1)正午~20時、火曜(2)03・5382・0599
<西日本>
日本初の専門店、おはなし会も面白い
平日午前11時と毎週土・日曜の午後3時からおはなし会がある。その時に集まった子どもたちに合わせて絵本を選び、4~5人のスタッフが読んでくれる。テーマ別や作家ごとの特集コーナーも多彩。2階のギャラリーでは5月10日まで話題の新人作家、ザ・キャビンカンパニーの絵本原画や立体作品を展示中。「古きよき作品を大事にしながら、変化を恐れない店作りでワクワクさせてくれる」(兼森理恵さん)。(1)10時~19時、水曜(2)052・733・6481(3)JR千種駅
心地よい木のテーブル
毎週日曜の紙芝居のほか、大人向けの読書会も月に一度開く。手書き新聞のファンも多い。「本屋という枠を超えた取り組みに熱意を感じる」(南未希さん)。京都市に姉妹店がある。(1)10時~19時、火曜(2)059・351・8226(3)近鉄・伊勢松本駅
本に加えて、オーガニック食材やおもちゃを扱うのは東京店と同様。大きな木のテーブルがあり、座り読みしながら本が選べる。「自然食ランチが魅力。ママもゆっくり優雅なひとときを楽しめるのでは」(南さん)
授乳スペースやベビーシートを完備。エコバッグにペイントするワークショップ(4月29日)などイベントも随時開催する。(1)10時~19時、1月1・2日(2)06・6330・8071(3)大阪市営地下鉄・江坂駅
瓦ぶき屋根の洋風建築が見所。「併設美術館で充実した原画展を常時開催している」(香曽我部秀幸さん)(1)10時~17時半、月曜(祝日の場合は翌日)(2)095・828・0716(3)長崎電気軌道・大浦天主堂下駅
「お宝本を発見できる」(市川久美子さん)など品ぞろえが評価された。「絵本選びの助言を受けたい方におすすめ」(鈴木さん)。(1)10時~19時、木曜(2)078・441・6869(3)JR摂津本山駅
土蔵造りの建物。靴を脱ぎくつろいで過ごせる。カフェやギャラリーも。(1)10時~18時、火曜(2)0930・33・8080
森の中に本の店や美術館、宿泊施設が点在。「選書のセンスもよい」(赤木かん子さん)(1)10時~17時、月曜(2)0983・39・1141
「小さい子どもがゆっくり遊べるスペースがある」(南さん)。(1)10時~21時、不定休(2)06・6634・8139
木のぬくもりがある店内。玩具なども充実。土日月曜日に開店。愛媛県松山市にも出店。(1)10時~18時(2)088・825・1546
「子どもたちがこっそり本を読める」(永江さん)よう工夫されている。(1)10時~19時、月曜(2)098・938・4192
◇ ◇ ◇
表の見方 数字は専門家の評価を点数化した。店名、所在地(1)営業時間と定休日(2)電話番号(3)最寄り駅
調査の方法 出版文化産業振興財団(JPIC、東京・千代田)や専門家の協力を仰ぎ、絵本や児童書を扱う専門店約50カ所のリストを作成。絵本に詳しい専門家や児童書売り場に定評がある大型書店の担当者など12人の専門家に、リストをもとに家族で楽しめるおすすめの店を東西5位まで選んでもらった。
専門家は次の通り(敬称略、五十音順)
▽赤木かん子(児童文学評論家)▽市川久美子(ジュンク堂書店池袋本店児童書担当)▽大橋悦子(オールアバウト絵本ガイド)▽金柿秀幸(絵本情報・通販サイト「絵本ナビ」社長)▽兼森理恵(丸善丸の内本店児童書担当)▽聞かせ屋。けいたろう(読み聞かせ師)▽香曽我部秀幸(梅花女子大学教授)▽清水たかこ(玄光社ムック「子どもと一緒に読みたい絵本」編集ライター)▽鈴木穂波(岡崎女子短期大学准教授)▽永江朗(フリーライター)▽南未希(紀伊国屋書店グランフロント大阪店児童書担当)▽八巻健史(白泉社月刊「MOE」編集長)
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