優雅にアフタヌーンティー お薦めのホテル、東西20
春の陽気が気持ちよく、おしゃれをして出かけたくなる今日このごろ。ホテルで優雅にアフタヌーンティーを楽しんでみてはどうだろう。洗練された茶の味わいに加え、インテリアや庭園風景が魅力的な施設がある。女性同士で出かければ、おしゃべりもいつもと違った雰囲気に。楽しい時間を過ごせるはずだ。
女性の社交場として定着
アフタヌーンティーは、19世紀の英国貴族の暮らしに根付いた、昼下がりに紅茶と軽食や焼き菓子をとる習慣のこと。ビクトリア女王と親交があったアンナ・マリア夫人が広めたといわれる。当時の貴族は夕食が音楽会や観劇など社交を終えた夜遅くになることが多かった。そのため社交の場に出かける前の午後3~5時に、軽食とお茶で腹ごしらえをするようになったという。その後、アフターヌーンティー自体が、女性の社交の場として定着していった。
ホテルのアフタヌーンティーで象徴的なのが、サンドイッチやスコーン、スイーツを並べる2~3段重ねのティースタンド。英国で習慣化した当時はテーブルにたくさんの皿を並べるのが正式な茶会のスタイルだった。「小さなテーブルでサーブするため、ホテルで広がったのではないか」と、イギリス情報専門誌「RSVP」編集長の新宅久起さんは話す。
紅茶の相方の定番はきゅうりのサンドイッチ。かつての英国貴族にとって、きゅうりを提供できることが、よい農地と使用人がいる証し。「富の象徴でもあった」(新宅さん)という。
女性たちの社交の場として始まったアフタヌーンティー。いまどき女子も時には往時に思いをはせながら、優雅に春の午後を楽しもう。
<東日本>
広大な庭園の四季を味わう
メニューの充実ぶりを指摘する声も目立つ。花見期間の4月12日までは桜風味のスコーンやサンドイッチの桜アフタヌーンティーを、13日からは新緑をテーマにしたメニューを提供する。「季節感あるメニューは和製アフタヌーンティーの究極形と評したい」(新宅久起さん)。(1)4180円(2)正午~18時(3)03・3943・0920
20種以上の紅茶と共に
「東京駅近くなので友人同士集まりやすい」(森田美佐子さん)。「季節のスイーツがかわいい」(長野真理子さん)という。女子会など友人同士の集まりに使えそうだ。(1)4782円(2)平日14時~17時30分。土日祝日は13時30分から。(3)03・6739・7877
高い吹き抜けから光がふりそそぐ41階のピークラウンジの眺望は、東京の高層ビル群に加え「富士山も望める」(太田ますみさん)。「3段プレートのほか、スイーツとフィンガーフードを持つスタッフがテーブルを回る」(青柳さん)のはうれしいサービス。
「国産クロテッドクリームの誕生に協力したホテル」(新宅さん)でもある。(1)4719円(2)平日14時~17時(土日祝日は正午から)(3)03・5323・3461
38階にあるオリエンタルラウンジは、約20種のドリンクがおかわりと茶葉替え自由。利き茶を存分に楽しめる。(1)5125円(4月29日から土日祝日は5857円)(2)正午~17時30分(3)0120・806・823
ザ・ロビーラウンジが提供。土日祝日は20種の紅茶から好みのものを選んで、ティーマイスターに調合してもらったオリジナルティーが味わえる。(1)5216円(2)正午~17時(3)03・6434・8711
1階のザ・ロビーで「生演奏を楽しみながらクラシックなアフタヌーンティーが楽しめる」(森田さん)。(1)4485円(2)14時30分~17時(3)03・6270・2731
トゥエンティエイトは「浜離宮などが望める景観が魅力」(長野さん)。(1)4905円(2)平日14時30分~17時。土日祝日は13時から。(3)03・6388・8745
ザ パレス ラウンジは「3段重で提供する日本式サービスが特徴」(新宅さん)。(1)4290円(2)平日13時~16時30分。土日祝日は14時から。(3)03・3211・5309
ザ・ラウンジは重厚感ある空間。「食事寄りかスイーツ寄りか選べるのがいい」(桑原さん)(1)3850円(2)正午~18時(3)03・5423・7287
1階ロビーのランデブーラウンジ・バーは「定番だが安定感がある」(上松さん)。(1)3520円(2)11時~18時(3)03・3539・8045
<西日本>
伝統の英国式空間にうっとり
「紅茶の種類が豊富で、ティーポットはキャンドルウォーマーであたためられている」(太田ますみさん)、「スコーンは自家製。ハーブティーや煎茶、玉露も頼める」(石坂智子さん)など飲み物も充実している。季節感を重視しており、16日からは牧場直送のチーズや乳製品を使用したメニューを提供する予定という。(1)4407円(2)11時~17時(3)06・6343・7020
町家の雰囲気で和の食事
フラワーアレンジメントや数々の調度品など、ぜいを凝らしたセント レジス バーの内装が五感を刺激する。「日本と西洋がふれあった桃山時代をイメージしたという空間に、時がたつのを忘れてしまう」(太田さん)。
「フロアが広く、屋外テラスもあり開放的。素材の個性を生かした料理にもうなる」(滝沢さん)など食事の質の高さを評価する声も目立った。(1)4350円(2)14時30分~17時30分(3)06・6258・3333
「世界一の朝食」で知られるダイニングカフェイグレックは「気持ちのいい空間」(桑原珠玉さん)。パーソナルな雰囲気が評価された。(1)2970円(2)14時30分~16時30分(3)078・271・4410
新梅田シティの「中自然の森」が眺められるロビーラウンジは「ガラス張りのアトリウムは開放感にあふれる」(牛窪さん)。(1)3950円(2)13時~18時(3)06・6440・1060
おかわり自由でお得。平日はカフェ アロンジ!(12時~16時)、土日祝日はレストラン レヨン(14時30分~16時)で。(1)4158円(3)06・6376・2206
吹き抜けが心地よいレストラン ザ パークは「差し湯などティーサービスが行き届いている」(太田さん)。(1)3333円(2)11時~20時(3)06・6881・1111
こちらのザ・ロビーラウンジは、沖縄の食材を生かしたフィンガーフードやスイーツを提供する。(1)4180円(2)14時~18時(3)0980・43・5555
ジャズの生演奏が流れるザ・ラウンジは「南海難波駅直結のアクセスが魅力」(滝沢さん)(1)3480円(2)11時30分~18時(3)06・6646・1111
ラウンジ&バー グラン・ブルーは「神戸港に面したテラス席がお勧め」(牛窪さん)。(1)3801円(2)13時~16時(3)078・371・1188
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表の見方 数字は選者の評価を点数に換算したもの。(1)大人1人の料金(消費税、サービス料込み)(2)アフタヌーンティーの営業時間、またはラストオーダー(3)電話番号。写真はイメージ。
調査の方法 ホテルやスイーツに詳しい専門家の取材を通じて、全国のホテルアフタヌーンティーのリストを作成。11人の専門家に紅茶やスイーツの質が高い、優雅な時間を楽しめる、景観や内装がすばらしいなどの点で評価してもらい、1位から10位まで挙げてもらった。選者は次の通り(敬称略、五十音順)
▽青柳紀子(ホテル情報サイト「ホテルコンシェルジュ」編集部)▽石坂智子(スイーツコンシェルジュ)▽上松可奈子(日本航空客室乗務員)▽牛窪恵(世代・トレンド評論家)▽太田ますみ(日本紅茶協会認定シニアティーインストラクター)▽桑原珠玉(Orangery Tea代表)▽新宅久起(イギリス情報専門誌「RSVP」編集長)▽滝沢信秋(ホテル評論家)▽寺部翠(ANA客室乗務員)▽長野真理子(オズモール編集部)▽森田美佐子(一休レストラン事業本部マネージャー)
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