後輩に見せる逃げない姿――重責向き合い「まず一歩」

2014/9/29

「世の中にこんな仕事もあるんだ……」。東京の短大を卒業し、働きやすいイメージから選んだ就職先。職場は温かく、先輩は丁寧に仕事を教えてくれたが、与えられた任務は入社したての若手が背負うにはあまりにも重いものだった。

東京海上日動火災保険の森美和子さん(51)が就職したのは1984年。配属されたのは首都圏の損害サービス部門だった。事故や災害に遭った契約者に、契約に基づいて保険金を支払い、場合によって被害者との示談交渉を担う。当事者の多くは大きな不安を抱えており、時には被害者の怒声を浴びることもある。困難に直面した契約者や被害者の心に寄り添って対応しながら、事実関係の認定や支払い作業で迅速な判断を求められる。責任の重さを痛感しながら、仕事に向き合う毎日だった。

保険金支払いの判断では、失敗から学ぶこともあった。ビル解体の現場で工事車両が横転して破損。申告に沿って修理や保険金の支払い手続きを進めていたところ、上司から指摘された。「本当に申告の日付通り事故が起きたのか」。


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