専門家お薦め 使って楽しい、お役立ち文具30品
気に入った文具を使うと、仕事や勉強の効率がアップする。ペンやノート、はさみなどで新機能を備えた商品が続々と登場してきた。この2年の間に発売された製品の中から、発想がユニークで機能性が高く、大人も楽しめる文具を専門家に選んでもらった。
<書く>
芯が折れない極細シャーペン
パイプが短くなってきたら、1回だけノックするのがポイント。何度もノックすると芯が出過ぎてしまう。商品名は「折れない」をもじった。「芯が出ないので極細でも折れない。筆圧が強い人でも使いやすい」(北沢孝之さん)、「極細芯のおかげで小さな手帳やメモにも書きやすい」(山本貴和さん)(1)500円(2)軸色は水色、ピンク、黄色、黒、白の5色
はじめての万年筆、雑貨感覚で楽しく
塗った色も「こすって消せる」
ペン先がしなる蛍光ペン。紙に密着するので、厚い本の曲面などにも線を引きやすく、インクがにじみにくい。(1)100円(2)5色
なめらかな書き味の油性ボールペンにスマートフォンを操作するタッチペンが付いた。黒、赤、青の3色が使える。(1)1800円
スマホで撮影すると塗った部分が黒くなる暗記用ペン。500円
振ると芯が出るシャープペンシル。回して出す消しゴム付き。350円
ガラスやプラスチックなどに書けて、水拭きで消せる。180円
初心者用万年筆。通常のペン先と特殊ペン先とインク3色で2000円
スマホ操作用のタッチペン付き鉛筆。鉛筆3本とキャップで5000円
<メモする>
同僚とやりとり、ほんの気持ち
マルアイ(山梨県市川三郷町)は和紙から始まった紙製品メーカーで、のし袋などを出している。「おおきに」「まいど」など関西弁版もある。「のし袋メーカーらしい発想で、職場のプチギフトに最適」(北沢さん)(1)280円(2)縦長15種と大判3種
手書きの紙、自動データ化
取り込んだ手書き文字を自動でテキストデータにする機能もあり「書くだけでデータ化してくれるのは新しい感覚」(清水茂樹さん)。(1)ノート型2万円前後、メモパッド型1万6千円前後(2)黒
探しやすく、めくりやすく
ページ番号を振り、欲しい情報の場所をすぐに見つけられる。A4サイズの紙の二つ折りがちょうど挟めるサイズで「ここまで使い勝手を追求したノートはない」(菅さん)。(1)2500円前後(2)黒
三つ折りにしたA4用紙が収まる縦長でスリムなノート。(1)糸かがり製本1冊380円
縦長のノート2冊を横につなげ、最大で横に4ページ分広げられる。(1)大1800円、小1500円
クリアファイル上部につけるインデックス。700円など
A5サイズとスリムなバインダー。2000円
先端を切り離し2カ所に貼れる付箋。注意個所がピンポイントでわかる。360円など
上部を切り離すと「?」マークが「!」に変わる付箋。380円
広げると扇状になるノート。斜めに書く人には使いやすい。690円
<切る貼る>
サクッと切れるテープカッター
カッター要らず、梱包楽々
軽い力で切り進めるハサミ
宛名などの個人情報部分を真っ黒な特殊のりで貼り合わせて隠す。乾くとうまくはがれず情報が読めなくなる仕組み。(1)300円(2)2色
シリコンを加工し、テープのりが付きにくい。下に敷いて使うと封筒など端までしっかりのり付けできる。(1)420円
粘着物を切っても刃がべたつかないはさみ。900円
ローラー式の両面テープで紙をはがす必要がない。10ミリ幅400円など
引いて切ることで軽い力で切れるはさみ。450円など
赤い色がついた瞬間接着剤。塗った場所がわかりやすい。液状450円など
はんこのように押して貼り付けるテープのり。400円
表の見方 数字は選者の評価を点数にした。カッコ内はメーカー名。(1)税抜き価格(2)色やサイズなどの種類
お気に入りで効率アップ
上位には利用時のちょっとした不満をうまく解消した商品が並んだ。「書く」1位の「オレンズ」は筆圧が強くても芯が折れない極細芯のシャープペンシル。わずかな力で切れるテープカッターやペン先の向きがわかりやすい万年筆なども高い評価を得た。
アナログな印象が強い文具だが、デジタル機器との連携もさらに進んだ。惜しくも選外となったが、学研教育出版(東京都品川区)の「エコー・スマートペン」、ソースネクストの「Livescribe wifiスマートペン」はいずれも書いている間の室内の音声を記録するので、議事録などに便利だという声が寄せられた。
文具の進化が進む背景には「企業が経費節減で備品を減らし、自分に合う文具を探す人が増えた」(納富廉邦さん)ことがある。子どもや学生向けに開発されていても、大人も使いたくなるものは多い。売り場をのぞいてみてはいかがだろうか。
◇ ◇ ◇
調査の方法 2013年以降に発売された製品のうち、従来品と比べ格段に進化していると思われる文具を専門家の推薦により56商品選出。専門家10人が実際に使い、仕事で使う際の新規性や使い勝手の良さなどを基準に評価した。選者は次の通り(敬称略、五十音順)
石井優里(東急ハンズ池袋店文具担当)▽菅未里(文具ソムリエール)▽北沢孝之(「Bun2」編集長)▽清水茂樹(「趣味の文具箱」編集長)▽高木芳紀(つばめやウェブ担当)▽土橋正(ステーショナリーディレクター)▽納富廉邦(ライフスタイルライター)▽野村純(ロフト商品部文具雑貨部)▽山田亮輔(伊東屋商品戦略室マネージャー)▽山本貴和(丸善丸の内本店文具グループ売場長)
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