1位は白馬・八方、大パノラマ 絶景リフトベスト10
大自然の風を体いっぱいに受け、山の絶景を楽しめる観光リフトはこれからの季節がお薦めだ。リンドウ、キク科などの高山植物が短い秋を彩り、やがて紅葉が山々を包み始める。その大パノラマを堪能できるリフトを専門家に選んでもらったところ、日本有数の名山に手軽に行けるものが並んだ。
北アルプス迫る空中散歩
体力があれば八方池(標高2060メートル)まで片道約1時間40分のトレッキングもお薦めだ。そこまでなら観光客でも行ける。「鏡のような八方池に映る白馬三山の美しさは印象的」(小林千穂さん)だ。紫外線対策をし「防寒着を用意して天気のよい日を選んで歩きたい」(柏澄子さん)。紅葉は例年、9月末~10月中旬が見ごろ。(1)430メートル(2)12分(3)ゴンドラ含め2900円(4)11月3日まで(5)白馬村観光局(電)0261・72・7100。写真は同観光局提供
雲海のかなたに富士山
山頂付近が急斜面なので、リフトで下る際は山を転げ落ちるようなスリルを感じる人もいるほど迫力がある。国道沿いの駐車場までは動く歩道「スカイレーター」(長さ200メートル、5分)がつなぐ。9月はエゾリンドウなどが楽しめる。紅葉は9月末~10月中旬。(1)約170メートル(2)5分(3)歩道含め1000円(4)10月31日まで(5)志賀高原観光協会(電)0269・34・2404。写真は同協会提供
四国山地の紅葉一望
リフト終点から山頂までは1時間弱のなだらかなトレッキングコースになっていて、家族連れでにぎわう。紅葉は10月中・下旬。「四国ザサの緑との対比が美しい」(竹田賢一さん)(1)330メートル(2)15分(3)1860円(4)11月末まで(5)三好市観光協会(電)0883・76・0877。写真は剣山観光登山リフト提供
終点に息をのむ景色
白樺湖見下ろす開放感
谷川岳が間近に
世界遺産が広がる
花々を観賞し遊覧
よく晴れた日は隠岐島まで見渡せて夕日が美しい。(1)140メートル(2)8分(3)700円(4)11月中旬ごろまで、紅葉時期除き火曜休(祝日なら翌日休)(5)(電)0859・52・2420
高低差が大きく、様々な植生を楽しめる。(1)470メートル(2)30分(3)ロープウエー含め3500円(4)10月26日(ロープウエーは11月3日)まで(5)(電)0238・55・2236
表の見方 数字は選者の評価を点数化。リフト名、所在地。(1)高低差(ロープウエーなどを除く)(2)リフトの片道所要時間(待ち時間は別)(3)大人の往復料金(4)運行期間(悪天候や整備のため運休も)(5)問い合わせ先
名山を気軽に楽しむ
1人乗りを除けば、乗った際に膝まで落下防止のバーを下ろす仕組みで、子ども連れも利用できる。スキーリフトを観光用に運行するところが多いが、スキーではまず使わない下りでも、山並みをゆっくりと鑑賞できるのが魅力だ。
本格的なスキー場が東日本に多いため、ランキングは「東高西低」の傾向となった。だがランキング外ではあったが、天橋立リフト(京都府宮津市)、三方五湖山頂公園リフト(福井県若狭町・美浜町)など西日本の観光専用リフトを推す声も多かった。
リフトは乗るだけでちょっとした「登山」ができるが、100メートル高度が上がれば気温は0.6度低くなる。高山は天候が崩れやすいので、防寒具や雨具は欠かせない。なだらかな道でも、その先の登山道に軽装で入りこむと非常に危険なことも留意しておきたい。
◇ ◇ ◇
調査の方法 9~10月に運行予定のリフトから専門家14人に山岳や紅葉などの景色を楽しめるお薦めを選んでもらった。選者は以下の通り(敬称略、五十音順)
伊藤陽一(山ガールネット編集部)▽柏澄子(山岳ジャーナリスト)▽鎌田則雄(日本山岳写真協会東海支部長)▽木元康晴(登山ガイド)▽小林千穂(山岳ライター)▽佐藤泰那(ランドネ副編集長)▽竹田賢一(新ハイキング編集長)▽太野垣達也(soto編集長)▽寺澤秀治(写真家)▽内藤昌治(山どんの資料室世話役)▽中島辰哉(昭文社「山と高原地図」担当)▽中島信(「日本のロープウェイ・ゴンドラ全ガイド」著者)▽西村怜(山と渓谷社)▽山上哲弘(360@旅行ナビ)
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。