愛されるブランドを作る

チェーン店の経営というと、とかく店舗数に目がいきがち。だが、藤崎氏は「100店舗を目指す」などといわず、目標を店舗数に置かないようにしている。直近で27店舗(FC店を含む)だが、50年後も愛されるブランド作りを目指し、地に足のついた展開を大事にしている。ブランド作りの一環として、行っているのがグッズ製作だ。例えば、新型コロナウイルスの感染が広がり、全国的にマスクが不足していた際は、スタッフ用に製作したロゴ入りマスクを一般客に向けて格安で販売し、15万枚も売れるほどになった。

そうした顧客に寄り添う姿勢や温かさが、同チェーンへの愛着につながっているのだろう。ドムドムフードサービスはコロナ禍の逆風下にもかかわらず新規出店を継続し、黒字化を達成。2021年3月期の売り上げは前の期比109%となり、着々と復活を遂げつつある。

さらに同社は、新業態として2021年8月、東京・新橋にプレミアムバーガーの1号店をオープン。店内で手切りをした和牛100%パティを使い高級感を出したハンバーガーが同店の売りだ。同時に完全キャッシュレス決済の導入や、プラスチックストローの廃止などの対策も進めている。著者のユニークな経歴とも相まって、新しいことへの挑戦に刺激を与えてくれる一冊だ。

今回の評者 = 若林智紀
情報工場エディター。国際機関勤務の後、人材育成をテーマに起業。その後、ホテル運営企業にて本社人事部門と現場マネージャーを歴任。多岐にわたる業界経験を持つ。千葉県出身。東大卒。

ドムドムの逆襲 39歳まで主婦だった私の「思いやり」経営戦略

著者 : 藤崎 忍
出版 : ダイヤモンド社
価格 : 1,650 円(税込み)

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