ドムドム復活秘話 社長は入社9カ月の元居酒屋女将『ドムドムの逆襲』

会社近くにハンバーガーの新店ができていて、ブランドロゴをみると「DOM DOM」とある。懐かしくなって入ってみたら面白いメニューに目が留まった。「丸ごと!!カニバーガー」だ。まるごと1匹のカニがバンズに挟まれていてインパクト大。こんなユニークなメニューが生まれた舞台裏を明かしてくれるのが本書『ドムドムの逆襲』である。

「ドムドムハンバーガー」を運営する現在のドムドムフードサービス(神奈川県厚木市)は過去、日本初のハンバーガーチェーンとして最盛期に400店舗近くまで増えたが、その後は赤字が続き一時、経営の存続が危ぶまれたこともあった。本書はそんな同社が自社の強みを生かして復活する過程を描く一冊。著者は居酒屋女将から転身し、ドムドムフードサービスの社長に就任した藤崎忍氏だ。

3か月で新商品を出す

当時、居酒屋を経営していた藤崎氏はある日、常連客から料理の腕を買われ、ハンバーガーのメニュー開発で声がかかった。その客というのが、ドムドムフードサービスの役員だったこともあり、同社に入社。店舗の営業指導にあたるスーパーバイザーを経て、入社からわずか9か月後に社長に大抜てきされた。居酒屋での経験を生かして数々の改革を行ったが、なかでも大いに手腕を発揮したのが新メニューの開発だった。

小規模チェーンだからこそ「新しいことに果敢にチャレンジする」の理念のもと、なんでも試すことを奨励している。その結果、大きな卵焼きをバンズで挟む「手作り厚焼きたまごバーガー」や、ソフトシェルクラブを1匹使った「丸ごと!!カニバーガー」といった、これまでのハンバーガーの常識を覆すヒット商品が次々に生まれた。

通常のチェーンであれば商品化に1年かかるところを、わずか3~4か月で実現。新商品開発を担当する社員がアポなしで提案してきても、その場で試食して判断することもあったという。現在も毎月のように新商品を発表しており、店舗に行くたびに新鮮な楽しみを感じさせてくれるのは、同チェーンならではといえるだろう。

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