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暮らしの知恵

マスク着けてても通る声が出るコツ 専門家に聞いた

2021/9/4

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新型コロナウイルス禍によるマスク着用で、話す相手に自分の言葉がうまく伝わらず、聞き返された経験を持つ人は多いはず。記者は何度も経験している。マスク越しでも「通る声」を出すには、どうすればいいのか。

専門家にコツを聞こうと、ビジネスボイストレーナーの秋竹朋子さんを訪ねた。

マスクを着けて普通に話すと、声がくぐもり、聞こえにくくなりがち。「まずは口を大きく開けて発声することから始めましょう」と秋竹さんは勧める。「マスクを着けたときは、口の開け方を1.5倍にすることを心がけると良い」という。

発音を明瞭にするのに大事なのは腹式呼吸。鼻から息を吸い込み、おなかをふくらませ、息を吐き出して、おなかをへこます呼吸の仕方だ。「腹式呼吸で強く息を出すと、通る声が出やすくなる」と秋竹さん。

「試してみましょう」。いくつかの5音の言葉を、記者は普段の発声と腹式呼吸の発声で話し、どれだけ違うかを聞き比べてみた。腹式では語頭で息を吐くよう意識する。

届けたい、おもしろい、会いたくて……。スマホで録音した両者を聞くと、明らかに腹式での発声の方が明瞭で聞き取りやすい。この発声はマスク越しだけでなく、「アクリルパネルを挟んでの会話でも有効」(秋竹さん)だ。

マスクで音が遮られるならば、大きな声で話せばいいのではと単純に考えていた。だが、これは誤り。「腹式呼吸をしないで大きな声で話すと音が不明瞭になり、かえって聞きづらくなる」と秋竹さんは注意を促す。

通る声を維持するためには普段のトレーニングが必要だ。秋竹さんが勧めるのは、母音を大きく口を開けて発声するトレーニングだ。にっこり笑って「い」、縦に口を開けて「え」、さらに縦へ開けて「あ」、すぼめて「お」、唇を前に突き出し「う」。これを10回、繰り返す。

息に瞬発力がないと声は通りにくくなる。瞬間的に息を強く吐き出すトレーニングも効果的だ。やり方は簡単。「シュッ、シュッ、シュッと強く息を吐くだけ。こまめに続けると、だんだんと声が通るようになる」(秋竹さん)という。

滑舌のトレーニングも大事だ。秋竹さんによると、マスクを着けて口元が隠れると、口を動かす表情筋を使う機会が減り、舌の筋肉も使わなくなる。言われてみれば、そうだ。筋肉は使わないと衰える。舌も同じで、これにより滑舌は悪くなる。

改善法として効果が見込めるのが「舌の筋トレ」だ。舌を伸ばして、口から上下左右に出す、舌を歯と唇の間に入れて歯茎をなぞるといったトレーニングをすることで、滑舌は良くなる。

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