金属や水はWi―Fiの電波を通しにくい。たとえばスチール製の事務机に置いたパソコンモニターの裏などにルーターを置くと、家の中に電波が届きにくくなる。「見落としがちなのは床暖房」(バッファロー)。金属が主な素材のため、ルーターが下の階にあると、速度が十分出ないことがある。

ルーターの置き場所を変えても、電波が届きにくいところもある。例えば急きょテレワークが必要になり、納戸や物置を書斎にした場合。このような例では、ルーターとの距離を縮める「中継機」を利用する手がある。

「ルーターはスピード、中継機はエリアを改善すると考えるとわかりやすい」とバッファローの担当者は説明。本体を電源コンセントに直接挿せるコンパクトな中継機もあり、場所をとらずに設置できる。ただ、移動しながらスマホなどを使う場合は、接続先の切り替えが必要な場合もあり煩わしい。

メッシュを導入 その対策として、家の中で「メッシュ」を構築する方法がある。

メッシュ(メッシュWi―Fi)は親機となるルーターとメッシュ中継機を組み合わせ、互いに通信し合うことで、メッシュ、つまり網目状にネットワークを構築する仕組みだ。ルーター、メッシュ中継機どちらで送受信するかの切り替えは完全自動なので、例えば1階のルーターにつながっているスマホを持って2階に移動しても、2階のメッシュ中継機に手動で接続をし直す煩わしさがない。

とりわけ、新規格「Wi―Fi EasyMesh」が策定されたことで、初期投資がぐっと下がる可能性が出てきた。従来のメッシュはルーターとメッシュ中継機をセットで一括購入しなければならず、筆者のときは中継機2台とルーターで約3万円。

今回の新規格により、今後は(1)まずルーターを導入(2)家のあちこちでWi―Fi速度を計測(3)電波が弱い部屋や場所があれば必要に応じてメッシュ中継機を買い足す――という効率化が図れる。

ステイホームでは快適な暮らし方が課題だ。ルーターの置き場を変えるだけで、それが実現できるかもしれない。

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前時代の規格でないか確認

Wi―Fiの規格はおおむね5年ごとに新しくなっている。現在最新のWi―Fi6が2019年に策定された際、世代を表す新名称が2世代前のWi―Fi4まで付けられた。だが1から3は設定されなかった。前時代の規格ということだ。

Wi―Fi4以降なら今の使用にも耐えうるという目安になる。ただ19年の新名称が始まる前に購入した場合は表示方法が異なる。たとえばWi―Fi4は「11n」、Wi―Fi5は「11ac」、Wi―Fi6は「11ax」となる。買い替え時にはこれらの規格表示を参考にしてほしい。

(家事ジャーナリスト 山田 亮)

[NIKKEIプラス1 2021年8月21日付]