巣籠もり生活のなか、自宅でコーヒーを楽しむ人が増えた。豆や抽出器具も売れている。ただ、焙煎(ばいせん)となると「難しい」イメージがつきまとい、尻込みする人が多い。本当にそうか。記者が試してみた。
コーヒー豆の焙煎は職人技で、素人にはハードルが高い。そんなイメージを持つ人もいるのではないか。
「そんなことはない」と断言するのは、都内と台湾に「珈琲(コーヒー)や」6店を展開するJINフードビジネスコンサルティング(東京・中野)代表の前田諭史さんだ。新中野本店や早稲田の店では、小型焙煎機での焙煎体験(実費は豆の代金のみ)を随時実施。手網を使う焙煎体験もイベントの際に開いている。「回数を重ねれば誰でも上達します」(前田さん)
手網なら自宅やキャンプで手軽に焙煎を楽しめる。直径20センチ程度の手網は1000円台~3000円台で買える。ギンナン煎り用でもいい。
コーヒーは豆の種類、果実から豆を取り出す精製方法、焙煎度合いなど様々な要素の組み合わせで風味が変わる。基本的に浅い煎りだと酸味が立ち、煎りを深くすると苦みが勝ってくる。前田さんによれば「手網だと酸味よりも香ばしさの方が出しやすい」。
最初のポイントは豆選び。初心者には、苦みとコクがしっかり出るブラジルやコロンビアの豆が向いている。今回はやや大粒の「コロンビア クレオパトラ」の銘柄を使った。