多様な「カッコいい」彩る ロゴ刷新、笑顔作りに注力マンダム 西村健社長

男性向け化粧品で市場をリードしてきたマンダム。今年4月、創業家から5人目となる西村健社長が就任した。トップ交代は26年ぶりだ。誰もが憧れる「カッコいい」像を打ち出すマスマーケティングを得意としていたマンダムだが、現代の「カッコいい」は多様だ。西村社長は「個性を大切にする人に選ばれるブランドづくりが必要だ」と話す。

企業の存在価値 「らしさ」理念に

――従来のロゴはシャープで男性的でしたが、新ロゴは少し柔らかいイメージになるようです。決まるまでにどんな議論があったのでしょうか。

「38年ぶりに企業理念とロゴを刷新しました。これまでのロゴは1980年代、流通施策の不調から会社を立て直していく時に『スマートな』『洗練された』『シャープな』ライフスタイルに貢献していく思いで決めたものでした。会社のロゴは理念を目に見える形にしたものです。今回も創業90周年の17年に、先に企業理念を刷新しました」

「新しい理念は『人間系』という考え方を中心にしています。科学の力で社会が変わっても、化粧品の会社として人間を観察し、人間らしい価値やサービスを提供していきたいとの思いです。理念が変わった時、いっしょにロゴまでも変わると社員がついてこられません。理念を業務に落とし込めているか見極めつつ、ようやく2年ほど前にロゴ刷新に手をつけ始めました」

「化粧のあり方は時代に応じて変わります。生活者にとっては、体だけでなく精神や社会のなかでの位置など、多方面の健康状態が大事です。我々は化粧でその役に立ちたい、生活者の笑顔を作りたいという意味を込めたロゴになりました」

――長い時間をかけて理念を浸透させ、ロゴ刷新にたどり着いたのですね。そこまで理念を大切にするのはなぜですか。

「企業として存在する価値を問われています。理念を突き詰めることで生まれるマンダムらしさが揺らぐと、他の会社でもできるようなことをする会社になってしまいます。それでは必要とされなくなるという危機感があります」

――マンダムは「カッコいい男性」像を示して、世の中をリードしてきました。このやり方も時代にあわせて変わるのでしょうか。

「我々が変わるというより、お客さんが変わりました。昔はぶっちぎりでカッコいい芸能人がいて、マス広告に登場すると『これだ!』と消費者が飛びついていた。いまは特定の芸能人のようになりたいという意識ではありません。見た目だけでなく生き方の面からもいろいろな『イケメン』がいて、人々は自分の好みに応じてフォローします。我々は生活者の多様な憧れを捉えながら、ある程度のくくりをつくって、商品を提案しないといけません」

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