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ニッキィの大疑問

週休3日じわり 働き手は賛成、人手確保も労務は煩雑

2021/8/9

ニッキィの大疑問

学び直しの支援効果も期待されている(写真はイメージ)=PIXTA
学び直しの支援効果も期待されている(写真はイメージ)=PIXTA

希望者が会社を週に3日休める「選択的週休3日制」の普及を図ると政府が表明したそうね。休みが増えるのはありがたいけど、そう簡単に定着するのかしら。

週休3日制について石塚由紀夫編集委員が江口敬子さんと富田さよさんに解説した。

江口さん「今年に入って週休3日制が急に注目されるようになりました」

今、大半の日本企業は週休2日制です。働き過ぎが問題になった1980年代以降に定着しました。もっと仕事を休みたいと望む社員が、追加で週1日休めるようにするのが選択的週休3日制です。

政府は6月に閣議決定した骨太の方針で、企業に導入を促し普及を図ると明記しました。育児・介護やボランティア、兼業などをしやすくする狙いです。1月に自民党の一億総活躍推進本部が言及し、にわかに注目を集めました。その後、政府の経済財政諮問会議で経営者らも導入を提案。閣議決定に至りました。

富田さん「どんな企業が実際に導入していますか」

働き方改革の議論が進むなか、一部企業が2017年ころから先行導入しています。例えばヤフーやSOMPOひまわり生命保険は介護や育児などをしている社員に条件付きで認めています。仕事の負担を軽減し、両立をしやすくして退職を防ぐ狙いです。

ユニークな事例では精米機メーカーのサタケ(広島県東広島市)があります。猛暑が続くなか「無理に働いても効率は上がらない」と判断し、17年から夏季限定で週休3日制を導入しています。事業の特性で多忙になるのは収穫期の秋。時間に余裕のある夏のうちに体を休めておこうという思惑もあったそうです。

宮城県は高齢者施設に導入を促し、今年5施設が採用しました。出勤日の勤務時間を長めにし、週あたりの勤務時間は週休2日の場合と同じにします。介護現場ではその方が身体的な負担を減らせると考えました。働きやすい環境を整え、人手不足が深刻な介護スタッフの採用を有利に進める狙いです。

江口さん「休みが増えるのはいいけど、給料はどうなるのかしら」

政府が描く週休3日制は「ノーワーク・ノーペイ」が原則です。1日の所定労働時間を変えずに出勤を5日から4日に減らすなら、給与・ボーナスも5分の4にします。ヤフーやSOMPOひまわり生命も同様の仕組みです。

急に脚光を浴びるようになったのは新型コロナウイルス感染拡大とも無関係ではありません。業績が悪化している企業もあり「ノーワーク・ノーペイ」の週休3日制を導入すれば人件費を節約できます。とはいえ収入減を伴う週休3日制の強引な導入は労働条件の不利益変更になります。「選択的」は休みたい人が休める仕組み。労使でしっかり条件を話し合い、合意することが欠かせません。

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