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2回目のタッチダウンを見守る管制室=JAXA提供

2回目のタッチダウンを見守る管制室=JAXA提供

エンジンの故障をはじめ数多くのトラブルに見舞われながら、困難を乗り越えて地球に帰還した小惑星探査機「はやぶさ」。宇宙航空研究開発機構(JAXA)でプロジェクトマネージャを務めた、元シニアフェローの川口淳一郎氏は、小惑星からサンプルを持ちかえる世界初の試みを成功に導いた。川口氏の「仕事人秘録」の第14回では、燃料漏れのエンジントラブルという窮地をしのいだ舞台裏を語ります。

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小惑星探査機「はやぶさ」は最初の着陸から6日後の2005年11月26日に2回目の着陸に挑んだ。

1回目の着陸でイトカワのサンプルを採取する装置は作動しませんでした。ただ着陸で舞い上がったチリが採取された可能性はありました。地球へ出発する11月末の期限も迫り、このまま帰還してはという意見も出ました。しかし確実なサンプルを地球に持ち帰りたい。そのこだわりで、2回目の着陸を決断しました。

1回目と同じ高度1キロメートルから降下を開始したのが25日午後10時ごろ。着陸の目標として前回投下したマーカーを捉え、精度よく目標地点に降下していることがわかりました。1回目の着陸でトラブルの原因となった障害物センサーが異常を知らせましたが、無視して着陸を進めます。着陸の作業は想定通りに進み、誘導にも自信がありました。

自動運転に切り替わったはやぶさは26日午前7時7分に着陸、1秒後に離陸して上昇を始めました。サンプルを採取する装置も正常に働き、採取のために弾丸を発射する指令が出たこともはやぶさから送られてきたデータで確認されました。月以外の天体でサンプルの採取に初めて成功した、そう信じました。

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