ごみ処理技術の進歩で処分場の姿一変 再資源化も進む

最終処分場からは東京湾が見渡せる(6月、東京都の新海面処分場)
最終処分場からは東京湾が見渡せる(6月、東京都の新海面処分場)

鼻をかんだティッシュ、インクの切れたボールペン。役目を終えればごみ箱に捨てておしまいだ。しかしごみの一生はそこから始まる。「ごみ戦争」という言葉が都議会で使われて今年で50年。ごみの行方を調べた。

東京湾にある廃棄物埋め立て処分場を訪れた。東京23区内で収集され焼却などの処理を経たごみ、一日1155トンほどをここに埋め立てている。ごみの終着地だ。中間処理施設を運営する東京二十三区清掃一部事務組合によると、ごみは回収されてから約3~4日で焼却され、その1~2日後に埋め立てられるという。

記者がごみの処分場と聞いて思い浮かべていたのは、カラスが群がり乱雑に積み上げられたごみの山。しかし実際の最終処分場は想像とは全く違った。ごみの山は見当たらず、ダンプ車が決められた場所に次々と焼却灰を運ぶ。覚悟していた臭いもほぼない。ごみと土の層を交互に重ねていくことで臭いやごみの飛散を防いでいる。海を挟んで羽田空港や東京ディズニーリゾートを見ることができた。

ごみの埋め立ては綿密な計画に基づいて行われる。運ばれてきたごみの重さは必ず計測。ごみの飛散を防ぐため、季節ごとの風向きに合わせて埋め立て地内での埋め立て箇所も変える。ごみで汚れた雨水を浄化する工程もある。

全国には現在1775もの最終処分場がある。山間部に位置する処分場が大半を占め、東京23区のような海面の埋め立て地は全国38カ所と少ない。38カ所のうち、近畿では大阪湾にある4つの埋め立て処分場に、周辺2府4県168の市町村の廃棄物を埋め立てている。

埋め立て地は倉庫やゴルフ場、公園などの緑地として使われることが多い。東京の中央防波堤内側埋立地にある海の森公園は、東京五輪・パラリンピックの総合馬術クロスカントリーで利用された。

ごみは埋め立て地に運び込まれる前に別の施設で処理される。可燃ごみは焼却処理され灰に。不燃ごみや粗大ごみは小さく砕かれた後、鉄やアルミニウムなどの資源を回収する。可能な限り減量化し、処分場に埋め立てられる量を減らす。

生ごみをそのまま埋め立てていた「ごみ戦争」の1970年代とは打って変わり、現在は可燃ごみの全量焼却が主流だ。ごみの資源化も進み、絶対量も減少傾向にある。現在、東京都の埋め立て地で最終処分される廃棄物の量はピークの72年度の約10分の1にまで減少した。

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