このビルにはミャンマー語のカラオケも歌えるレストランが入る。コロナ禍以前「週末はお酒を飲みながら朝まで歌うミャンマー人も少なくなかった」(マヘーマーさん)。薦められたカレーのような煮込みなどは総じて辛く、タイ料理より素朴な味わいだ。

周辺にはこうしたレストランが多かったが、不法滞在者の取り締まり強化や東日本大震災などを経て減少。「今はSNS(交流サイト)で国軍への抗議活動や食材店の新着情報を得ることが一般的」(マヘーマーさん)という。

ミャンマー料理は総じて辛め(写真左、東京・高田馬場のミャミィンモ)。駅前のタックイレブンビルのミャンマー雑貨店(同右)

リトルヤンゴンがタックイレブンという「点」ならば「面」として広がるのが中華系の店舗だ。駅から早稲田通りを落合方面に5分ほど歩くと中華系の料理店や雑貨店、台湾スイーツの店などが15店ほどあった。背景には中国人留学生の急増がある。

駅周辺ではタックイレブンを含め数々のビルに掲げられる「行知学園」という真っ赤な看板が目に付く。中国人留学生を対象とした予備校だ。17年に高田馬場校を開いた。理由を聞くと「学生が事前に来日して塾を見学する際、高田馬場にある学校を複数見て回るケースが多い」(事業推進室の武井美奈室長)。学園の年間在籍学生数は5年前は1500人弱だったが、現在は4千~5千人に膨らんだ。

高田馬場に住む黒竜江省出身の張芸滝さん(20)は20年に来日し、日本語を学びながら大学受験に備える。以前は新大久保に住んでいたが「ここは静かで勉強しやすい。中華料理店や食材店も多く、ずっと住みたい」と打ち明ける。安徽省出身の徐栄駿さん(19)も「学校も徒歩圏内だし、週末には新宿や池袋に行ける」と利便性の良さを強調する。

中国人だけでなく、ベトナム人留学生も多い。16年にベトナム風サンドイッチ、バインミーの専門店「シンチャオ」を開いたブイ・タン・ユイさん(35)も四日市大学を卒業した元留学生。語学学校が多い高田馬場にはベトナム人留学生が一定数いることを調べ、店を構えた。

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「馬場」の地名 由来は?