夫婦別姓って実現するの? 認めていないのは日本だけ

パスポートで旧姓を併記する要件を緩和した(写真はイメージ)=PIXTA
パスポートで旧姓を併記する要件を緩和した(写真はイメージ)=PIXTA

「夫婦は同姓」という婚姻の制度が、男女平等を定める憲法には違反していないという最高裁判決が出たわ。でも世論では「選択的夫婦別姓に賛成」という声が高まっているわね。

夫婦別姓が実現するのかどうか、中村奈都子編集委員が吉岡由佳さん、今村佳世さんに解説した。

吉岡さん「今は結婚したら妻が姓を変えるのが当然という雰囲気ですが、夫婦別姓って、どうなっているのですか」

1996年に法制審議会が、結婚後も夫婦が元の姓を望めば使えるという「選択的夫婦別姓」を盛り込んだ民法改正案を答申しました。でも最高裁が出した2015年と21年6月の判決はいずれも「同姓を定めた現行制度は合憲」というものです。ただ併せて「夫婦別姓の問題は国会で制度について議論されるべきだ」と指摘しているのです。

20年に閣議決定した「第5次男女共同参画基本計画」は一部自民党議員の反対で「選択的夫婦別氏(別姓のこと)」という文言が削除されました。「家族の絆や一体感が不安定になる」「子の氏の安定性が損なわれる」「旧姓の通称利用を拡大すべきだ」といった理由で夫婦同姓を支持する声も根強いですね。

今村さん「世論の流れはどうですか」

国民の考えは変化しています。日本経済新聞社の15年12月の世論調査では選択的夫婦別姓への反対が賛成を上回っていました。これが21年3月末の調査では、選択的夫婦別姓に「賛成」が67%と「反対」の26%を上回っています。

通称として旧姓を利用すればいいという意見があります。内閣府によれば303の国家資格、免許などで資格取得時から旧姓が使用できるものは207(6月時点)あります。しかし、例えば職場の仲間が旧姓しか知らなかったら、保育所から緊急に戸籍名で「○○さんの子どもが事故にあいました」と連絡が来ても混乱します。

学会で海外に行くときにパスポート名と通称が違って、同一人物と証明するのが困難という話もあります。21年4月1日の申請分からパスポートの旧姓を併記する要件を緩和しましたが、海外では併記の国は少なく、説明を求められることがあるといいます。制度としての夫婦別姓を望む人は増えています。

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