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さらに「焼酎は甲類を使って」と薦める。焼酎は「甲類(連続式蒸留焼酎)」と「乙類(単式蒸留焼酎)」に大別される。芋や麦など原料の風味が残る乙類に比べ、甲類はくせがなく、飲みやすいのが特徴という。

「レモンの風味や香りを生かすには、ピュアな味わいの甲類がおすすめ」と内山さん。焼酎甲類の製造元は全国に60社。「それぞれ味わいが違うので飲み比べるのも面白い」

レモンの切り方によってアレンジできるのもレモンサワーの魅力の一つだ。お薦めは細かく切ったレモンをグラスに詰め込んだ「ギュウギュウレモンサワー」。レモン2個を16等分にカットし、12個を冷凍、残り4個を冷蔵しておく。レモンを全てグラスに詰め、焼酎と炭酸水を注ぐ。冷凍したレモンが氷がわりになり、レモンの風味もしっかり味わえる。

同じく冷凍したレモンを使うのが「レモンタワーサワー」だ。5ミリくらいの薄さに輪切りしたレモンを、ラップの上に少しずつずらしながら1列に並べ、冷凍。しっかり凍ったら、グラスに差し込む。レモンがグラスの中でタワーのようにそびえ立ち、見た目のインパクトが大きい。「写真映えもするし、ホームパーティーなどで作ると盛り上がる」と内山さん。

「ギュウギュウ」も「タワー」も、焼酎と炭酸を足せば、同じグラスでお代わりを楽しむことができる。

「レモンサワーの素」も自宅で作ることができる。レモンスライスと氷砂糖、ハチミツを2週間漬け込むと、自家製のレモンシロップに。できあがったシロップと、一緒に漬けたレモンスライスで、オリジナルの味が完成する。

奈良さんは「レモンサワーは和洋を問わず、合わせる料理の幅が広いのも魅力。食事に合わせてアレンジを楽しんでほしい」と話す。

材料はシンプルでアレンジは多彩。自分だけの味を見つける楽しみが広がりそうだ。

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加工品でもっと手軽に

国産レモンの5割を生産する広島県のアンテナショップ「TAU」(東京・中央)には、広島県産レモンを使用した商品が約200種類そろう。同店の山口亮さんが薦めるのは、レモンとてんさい糖だけで作ったレモンペースト。「酸味と苦味がしっかり味わえるので、サワーに最適。業務用として飲食店でも使われている」

その他、レモンスライスのハチミツ漬けや、100%レモン果汁の瓶詰、レモネードベースなど、サワーに使える商品が豊富なので、自分だけの味を探すのも楽しい。同店の通販サイトでも手に入る。

(ライター 李 香)

[NIKKEIプラス1 2021年7月17日付]