大迫力にワクワク 恐竜を楽しめる施設、ベスト10
恐竜や古代の貝、哺乳類などの化石は子どもだけでなく大人も未知の世界にいざなう。夏休みには特別展も目白押しだ。そこで旅行に組み込んで家族で楽しめるお薦めの施設を聞いた。
★★★
収蔵400万点 哺乳類まで幅広く
哺乳類の化石や剥製展示、江戸時代以降の科学技術や日本の多様な生き物の紹介もあり幅広い。「何度行っても何か発見がある」(馬場健司さん)、「全く違う動物が、進化に伴い体型が似てくる収れん進化の面白さがよくわかる」(えるしまさくさん)
直径約13メートルのドーム内部が全てスクリーンの「シアター36○(さん・ろく・まる)」は迫力の映像だ。「好きな人は1日では足りず、詳しくない人も楽しめる」(茂呂真理さん)。JR上野駅徒歩5分。施設が一部改修のため恐竜の現在の展示は8月末まで。7月7、14日は休館(1)620円(無料)(2)「太古の哺乳類展」(7月12日~10月5日、○)(3)03・5777・8600
★★
西日本で最大級 太古の世界再現
ジュラ紀に続く白亜紀の北部九州を再現した360度体感型のジオラマでは、福岡県で発見されたワキノサトウリュウなどの恐竜ロボットが動き、嵐や火山の噴火といった自然現象も照明や音響と共に再現、見る者を太古の世界に誘う。ニシン科のディプロミスタスなどの「魚類化石もお見逃しなく」(土屋健さん)。常設展のQRコードをスマートフォンなどで読み込むと解説を持ち歩ける。7月5、6日は休館。JRスペースワールド駅から徒歩5分。(1)500円(200円)(2)「THEモンスター展」(7月19日~9月23日、○)(3)093・681・1011
★★★★
まるで実物大図鑑 発掘体験も
7月19日から「野外恐竜博物館」がオープン(11月9日まで)。市内のフクイラプトルやフクイサウルスなどの恐竜化石が発掘された現場=写真=で恐竜の足跡化石を見たり、研究員と一緒に化石を探したりと研究員気分が味わえる。「世界屈指の博物館。化石採集体験で魅力はさらに増す」(ジェンキンズ・ロバートさん)。専用バスで博物館と現場を往復する形式で予約と別途料金(大人1200円、小学生600円)が必要。植物などの化石の一部は持ち帰れることもある。7月9日は休館。JR越前大野駅から車で約20分。公園の一部で、園内には食事処や遊具もある。(1)720円(260円)(2)「スペイン奇跡の恐竜たち」(7月11日~10月13日、○)(3)0779・88・0001
★★★
「恐竜人間」の模型
★★
動植物解説 ガイドツアー
★★★ 4月の新築移転後にできた骨格標本「恐竜進化大行進」が見もの。(1)500円(200円)(電)096・282・4051
★★ 「一級品の標本が地球史の世界に誘う」(ジェンキンズさん)(1)520円(無料)(電)0465・21・1515
★★★★ 地層を建物で覆っており、野外では有料で発掘体験もできる。(1)250円(100円)(電)0246・82・4561
★★★ ジオパークの一角で、島全体に恐竜や化石のポイントがある。(1)200円(100円)(電)0969・67・2325
★★★ 豊橋総合動植物公園内にあり、入園すれば4施設を1日中楽しめる。(1)600円(100円)(電)0532・41・4747
表の見方 数字は選者の評価を点数化。★は恐竜や古生物の化石に詳しい「マニア」向けのお薦め度で最高評価は★5つ。博物館や施設名、カッコ内は所在地。(1)今夏の大人1人の常設展示入館料、カッコ内は小学生料金(2)恐竜や化石に関する夏の特別展示(日程、○印は有料の場合)(3)問い合わせ先。
■大迫力 大人も魅了
日本では1978年以来、岩手県のほか、福井、熊本など18道県で恐竜の化石が発掘されている。3位の福井県立恐竜博物館など発掘現場近くにある施設では研究者のような発掘体験もできる。
恐竜や古代生物は子どもに大人気だが、大人にも新たな知見を得る楽しみがあふれている。研究が進み、かつての常識が覆されているためだ。例えば昔ははちゅう類を思わせる皮膚だった恐竜のモデルは、2012年に大型肉食恐竜でも羽毛が確認されてからは羽毛付きで復元されるようになった。博物館は世界的に進む研究成果を映す。
恐竜や化石に詳しい「マニア」向けのお薦め度も聞いたところ、ランクには漏れたが足寄動物化石博物館(北海道足寄町)や三笠市立博物館(北海道三笠市)などが高評価を得た。泊まりがけで観光と合わせるなどして地球の成り立ちに思いをはせてはいかがだろう。
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調査の方法 全国の恐竜や古生物の化石を展示する博物館など約40館を選出。詳しい編集者などを中心にした専門家に家族で楽しめる博物館を最多で10館選び、順位付けと恐竜に詳しい人向けのお薦め度を5段階で評価してもらい編集部が集計した。(敬称略、五十音順)
荒木一成(恐竜造形作家)▽宇都宮聡(ドラゴンハンター)▽えるしまさく(イラストレーター)▽ジェンキンズ・ロバート(金沢大学理工研究域自然システム学系助教)▽土屋健(オフィス ジオパレオント代表)▽徳川広和(パレオアーティスト)▽中川久雄(パレオサイエンス社長)▽馬場健司(古生物学会会員)▽平山廉(早稲田大学国際教養学部教授)▽松田壮一郎(科学雑誌Newton編集部員)▽茂呂真理(昭文社まっぷる編集部)▽吉村浩子(恐竜倶楽部)
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