社会起業の輪広げる

効率の悪さを含みつつも、高い付加価値を持ち、生活者が買い続けたくなる商品をつくり続けること。これこそが社会起業家の腕の見せどころだ。一流のビジネスパーソンこそ、この困難に挑戦してほしいと田口氏は強調する。

そんな社会起業家を孤立させまい、との思いで創業したのがボーダレス・ジャパンと、そのグループ企業だ。ボーダレスグループとして、自己資金ゼロ円で起業できる仕組みや、事業の立ち上げを無料でサポートする体制、成功した企業が余剰利益を次世代の起業家の支援に使う「恩送り」と呼んでいるシステムなど、さまざまな手を使って社会起業の輪を広げようとしている。

ビジネスパーソンであればこそ、非効率で、もうからないものをつくり直す力を持っていると田口氏は訴える。ビジネスの視点から社会課題を解決するために何ができるか、考えるきっかけを与えてくれる一冊だ。

今回の評者 = 高野裕一
情報工場エディター。医療機器メーカーで長期戦略立案に携わる傍ら、8万人超のビジネスパーソンをユーザーに持つ書籍ダイジェストサービス「SERENDIP」のエディターとしても活動。長野県出身。信州大学卒。

9割の社会問題はビジネスで解決できる

著者 : 田口 一成
出版 : PHP研究所
価格 : 1,760 円(税込み)